りゅうへいは、少し後ろを歩いていた。
そう言うと、少しだけ驚いた顔をしてから、照れたように笑う。
一歩近づいてきた距離が、やけに初々しい。
しばらく並んで歩いていると、りゅうへいが小さく口を開いた。
急すぎる言葉に、足が止まる。
自分を落とすみたいな言い方。
胸が、きゅっと鳴る。
りゅうへいは拳を握って、少し強がるみたいに言う。
真っ直ぐな目。
その必死さが、可愛くて、苦しい。
少し笑ってから、視線を落とす。
私はそっと、りゅうへいの手を取った。
びくっとして、目を見開く。
指先が絡まって、りゅうへいは息を飲んだ。
しばらく黙っていたりゅうへいが、意を決したみたいに口を開く。
少し声を低くして。
その言葉に、思わず笑ってしまう。
りゅうへいは照れたように頬を赤くして、でも手は離さなかった。
一瞬、言葉を失ってから、ぎゅっと手を握り返される。
でも、その声は嬉しそうだった。
背伸びした想いも、未完成な強さも。
全部まとめて、愛しかった。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。