第41話

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2025/08/27 14:00 更新




鯉に餌を存分にあげ終え、静かな道を2人歩く。
歩きながら、私は初めて鯉に餌をあげた感想を不死川さんに熱烈に話していた。



あなた
鯉が凄い集まってきてて、こんなに集まるんだーってビックリしました!!
あなた
あと1匹1匹柄が違って、全部綺麗でした!!
あなた
全身黒とか白に赤い模様があったり、黒い模様があったりして、鯉って凄いなって思いました!!
不死川 実弥
そうかァ、そりゃ良かったなァ




頭上でたまに見せる不死川さんの笑顔が、どこか物珍しい。
ぼーっと不死川さんの横顔を見ていると、奥の方から女性の叫び声が耳を刺した。
ハッと正面を見ると、いつの間にか人通りの多いところに出ていた。



m
うちの子が___!!




恐らく誘拐か、?
子供を強引に奪い取り、母親らしき人は倒れていた。
私は見過ごせず、足に力を入れ、思いっきり走った。
追いつくと、私より頭2つくらい大きい男性の腕を掴んだ。



あなた
何してるんです?
m
ッ!!クソッ!!




大柄の男が私に殴りかかろうとするので、当然のように片手で止める。
これまでどれだけ死ぬほど鍛錬を積んできたと思っているんだ。
私は男の胸ぐらを掴み、顔を近づけた。



あなた
子供、返してくれますよね?
m
ひっ、かっ、返すッ、返すから…ッ!いっ、命だけはどうかっ…!
あなた
なら良かったです




男は子供を手放すと、転がるようにどこかへ走って行った。
私は、泣きじゃくる子供の背中を摩り、もう安心だよーと声をかけた。
その時、母親と思われる女性が、こちらへ走ってきているのが見え、その人に子供を返した。



m
ありがとうございます!ありがとうございます!なんとお礼をすればいいか…!
m
貴方は命の恩人です!!本当にありがとうございます!!
あなた
いえいえ、当たり前のことをしたまでですから




子供の母親は、涙を流しながら私に頭を下げた。
なんか照れるし、そこまで感謝されるようなことはしてないのに、大袈裟に礼を言われる状況に、少し照れくさかった。
母親が子供を連れてその場を去ると、不死川さんが歩いてくる音がした。



あなた
不死川さん、すいません勝手に走ったりして…
不死川 実弥
いい、謝んな




すると、不死川さんは私の頭を軽く撫でた。



不死川 実弥
……ほら、もう帰んぞ
あなた
!はい!




そして、私と不死川さんの楽しいお出かけは終わった。
蝶屋敷で別れ、帰路につくと、後ろから急に抱きしめられた。
背中から感じる…この息ができなくなるこの力…背中に当たっている弾力…そして鼻をかすめる桜餅の匂い…



あなた
蜜璃ちゃん?!
甘露寺 蜜璃
あなたちゃ〜〜ん!!






作者
作者
ちょっとばかし不死川さんとくっつけすぎたかもしれねぇですね
作者
作者
いや仕方なくないですか?!!もうこれは




大正コソコソ噂話
あなたちゃんは昔はいい性格(悪い意味で)だったので、その名残りなのか、怒ってる時とかは、笑ってはいるけど目が人を刺すような目をしてるので、不良でも大分たじろぎます。
あなたちゃんの笑顔は、決していつも心から笑ってるのではなく、厚化粧してるような感覚です。
いつも心では家族が死んだショックとか、自分が不甲斐ないとかマイナスなことばっか考えてるので、心から笑ったことは、家族が亡くなってからないです。
でも、不死川さんと出かけてる時は、一瞬忘れられて、本当に久しぶりにちょっとだけ心から笑えたそうです。

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