シオンside
俺はとんでもないことをしてしまった。
血は繋がってないが妹同然のあなたの下の名前に、…
正直自分の気持ちが頭で整理できない
今日は家に早く帰ろう
あなたの下の名前の好きなもの買って帰ろう
いつも通り接すれば大丈夫
あなたの下の名前も許してくれる、はず…、
シオンオッパの整った顔が私の顔に近づいてくる。
突然のことで理解できなかった
ただこんな簡単に、
シオンオッパは私のこと好きでもなんでもないのなんてわかってる
その事実がすごい苦しくてその時間の授業はトイレに篭って泣いた
あの優しさも全部、”誰にとっても”で、
きっと私を本当に妹としか思ってない。
私はどこにでもいる友達とか、近所のちょっと仲良い妹じゃなくて
シオンオッパの”特別”でいたくて
その差なんて、今の何倍努力しても届かないかもしれないけど
そんな私の気持ちを知ってても隣にいてくれる勇志みたいな人と付き合ったら、こんな胸が苦しい恋しなくて済むかな
勇志side
シオン先輩にあなたの下の名前を連れて行かれてしまってから俺は、授業の始まりのチャイムがなって誰もいない廊下を1人で歩きながら教室に向かった
授業中もあなたの下の名前のことを考えてて内容なんて1mmも入ってこなかった
あんな女たらしより俺の方が幸せにする自信あるのにな
勉強する気の全くない机の上のペンを手に取りながらペンを回す
黒板横のポスターが目に入った。
「夏祭り🌻7月28·29日 開催決定」
-花火10万発-縁日・屋台・有名kpopアーティスト?!-
机の下からスマホを出してちょっと調べる
あなたの下の名前side
トイレに引きこもってそろそろ1時間。授業の終わり際
夏祭りのリンクが送られてきた
毎年シオンオッパに連れて行ってもらってた
って毎年なんだかんだ付き合ってくれてた
さっきまで泣いてた私はもういなくて
勇志が気を紛らわすために送ってくれたんだろうなって思うと心があったかくなった
今年は勇志と行ってみようかな
涙の跡が他の人にわからないように鏡で確認してから勇志のいる教室へ向かった













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!