第7話

GW合宿①
623
2019/04/03 07:06
めぐりめぐってもう直ぐ夏です!いかがお過ごしですか皆様…って誰に話しかけてるんだ私。マネージャーとして参加してから1ヶ月がたちゴールデンウィーク合宿です。梟谷グループの面々にプラスして今回は宮城から烏野高校が参加するとのことで、まあはじめての私には追加されたところでみんなはじめてだからあまり変わらないけども。とにかく、テンションは最高潮ですっ!
如月 律
如月 律
今日の授業乗り越えれば明日から合宿だぁ!!
白福雪絵
白福雪絵
嬉しいよ〜りつが来てくれて
如月 律
如月 律
楽しみすぎる〜!
お昼休みが始まって10分。そろそろかなとお弁当をたたんで準備をする。ほら…
木兎光太郎
木兎光太郎
あかーし!!昼練いくぞぉぉー!!
赤葦京治
赤葦京治
木兎さんうるさいです。
今日はマネージャーも昼練にお邪魔する。といっても合宿の準備だから参加にはならないけど。
如月 律
如月 律
雪ちゃんレッツゴー!!
白福雪絵
白福雪絵
りつ〜それじゃあ木兎と同じテンションだよ〜
階段を降りていくとすずちゃん先輩がひょこっと顔を出してごめんと手を合わせる。今日は委員会が昼に入っちゃって手伝えないってゆー合図。全力でグーサインを出して体育館に向かう途中に盛大にずっこけた。いたいいたい。
ひょこひょこしながら体育館に向かうともう木兎さんと赤葦くんは練習を始めていて、やっぱりすごいなぁと何度目かわからない感心をする。
ちゃっちゃとぱっぱと準備を終わらせ…るつもりだったのに思ったよりも大変だった。持っていくもののチェックリストをみながら物を1つずつ出していく。足りないものにチェックをつけて放課後の買い出し。持っていくものは固めて体育館の脇に出しておく。結構足りないものが多くて放課後は全部潰れそうだな。練習見たかったーーー。なんてわがままを思う。でていけわがまま。
白福雪絵
白福雪絵
んーーっとこれくらいかな〜
如月 律
如月 律
思ったより大変だ
白福雪絵
白福雪絵
でしょ〜?でも当日も大変なんだよな〜
如月 律
如月 律
そーなのかぁまぁ頑張りますとも
得意げにいって胸を張る。息を吸い込みすぎてむせた。かっこわるーい。
如月 律
如月 律
買い出し私が行ってくるね
白福雪絵
白福雪絵
ええ?1人で大丈夫〜?
如月 律
如月 律
大丈夫大丈夫。体力はある!
白福雪絵
白福雪絵
答えになってないけどお言葉に甘えようかな〜
白福雪絵
白福雪絵
なんかあったら連絡してよ〜?飛んでくからねっ
予鈴がなって人の波がはけていく。それでも木兎さんと赤葦くんは練習をやめない。授業のギリギリに入ってくるのはこれが原因か。
ふわふわの足取りで教室に向かって先に着く。ほおが緩みすぎて5、6時間目の教科担当に如月〜ふざけるな〜と注意を受けて隣の赤葦くんに笑われた。くそう
楽しい時間はあっという間に過ぎる。合宿のことを考えてたら授業なんて光の速さで抜けていった。頭から。とりあえず荷物を部室に置きに行って、すずちゃん先輩に一言かけてから買い出しに出かけた。結構あるな。
如月 律
如月 律
ふんふふーんふーん
鼻歌を歌いながら公園の横を抜けたら小学生達に変な目で見られた。まあいっか。ドラッグストアについてドリンクの粉を買う。そりゃあもうたくさん。あとは、テーピングと、冷却材と…ありすぎる。そんなこんなで買い出しが終わった頃には練習も終わってる時間になっていた。学校に戻る途中では部活帰りの中学生に見られた。
学校が近くなってくるとうちの生徒もちらほら見かけるようになった。そして嫌な予感がした。今日の半面はたしか女バスだ。
案の定予感は的中して、女バスの集団とすれ違う距離まできた。平常心平常心平常心…言い聞かせてみるけど落ち着かない。一応先輩だったから挨拶をするか迷って少し足の運びが遅くなる。うーーんするべきか。考えているうちに向こうが立ち止まってこっちを見た。そして一言
「お前がいなくてもなんともねーから。責任とか感じなくていいからねぇー?」
きゃっきゃっと周りの部員は笑う
通り過ぎてからしばらくして、膝が抜けた。地面に崩れ落ちて、立てなかった。あれ、私ってこんなに弱かったっけ?
袋から落ちたドリンクの粉を拾いながらただぼーぜんとしていて、何分くらいそこにいたのかはわからないけど、後から確認したら雪ちゃんから着信が10件はいる程度にはそこにいたらしい。
赤葦京治
赤葦京治
どした?大丈夫?
影が落ちて、手元が暗くなる。
如月 律
如月 律
赤葦くん…?
ゆっくり顔を上げるのと同時に赤葦くんの視線が落ちてきた。
赤葦京治
赤葦京治
大丈夫か?
しゃがんで同じ目線で話す赤葦くんの顔が夕日に照らされて綺麗だなってちょっぴり詩的なことを考える。
如月 律
如月 律
うん、平気だよ
立ち上がろうとして、まだ膝に力が入らないことに気づく
赤葦京治
赤葦京治
大丈夫じゃないじゃん。ほら。
手を差し伸べてくれた赤葦くんに甘えて今日だけ、今日だけは甘えて、手を取った。
赤葦京治
赤葦京治
荷物持つから
赤葦くんが荷物を拾い上げて歩き出す。手を引かれてまだフラフラしながら一緒に歩く。
赤葦京治
赤葦京治
なんか言われた?
如月 律
如月 律
…なんもないよ!
赤葦京治
赤葦京治
嘘。まあでも無理には聞かないよ。安心して、俺は味方だよ。
如月 律
如月 律
うん
体育館に戻る頃には足取りもだいぶ落ち着いて平静を装えるくらいにはなっていた。そして気づいた。手をつないでいることに。
白福雪絵
白福雪絵
大丈夫だった〜りつ〜
雪ちゃんが寄ってきて視線を落としてみるみるうちに悪い顔になる。
白福雪絵
白福雪絵
あらあらあらまぁ赤葦ってば
ばっと手を離してちょっと距離を取る。
如月 律
如月 律
これは…
白福雪絵
白福雪絵
いいからいいから早く準備するよ〜
言い訳の隙も与えず、雪ちゃんは歩き出す。
如月 律
如月 律
赤葦くん、もの持たせちゃってごめんね!ありがとう!
持たせていた荷物をもらって雪ちゃんの後をついていく
木兎光太郎
木兎光太郎
あかーーし!トスーーーってなんだその顔っ?!
赤葦京治
赤葦京治
見ないでください。
木兎光太郎
木兎光太郎
え、なんかわかんないけどあかーしかわいーな!
赤葦京治
赤葦京治
やめてくださいほんと。
何はともあれ明日から合宿です!

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