第33話

第三十二話
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2025/07/13 21:00 更新
病室の窓から見える青空は、いつもどこか他人のもののように感じていた。
ただ見つめるだけで、もう触れることのできない、届かない世界だと思っていた。

だけど今日、私は空の下に出る。

看護師さんに提案されたのは屋上に出ること。
車椅子に乗って、看護師さん同伴で少しだけ外の空気に触れる。
今日のリハビリはそれ。
看護師
リハビリ…ってほどじゃないけどね
外の空気を吸うのも立派な一歩ですから
柔らかく笑いながら看護師さんがいう。
お昼になって、外が暖かくなってから出ようとのこと。
ジミンはその頃には来てくれてるかな、そんなことを考えながら、私は小さく頷いた。


お昼になってジミンがなにか荷物を持って病室にやってきた。
ジミン
ジミン
これ私とミンジョンとニンニンから。
看護師さんがえりが最近寒いって言うこと増えたって言ってたから
大きめの温かいブランケット
少しでもえりが孤独を感じないようにちゃんと家の洗剤と柔軟剤で洗ってきたからさ
ジミンたちの優しさ
家の匂いがするふわっとしたブランケット。

私は一人じゃないんだって再認識できた。
えり
えり
ありがと、ねぇいまからこれつかってもいい?
ジミン
ジミン
もちろんリハビリ
屋上行くんでしょ?
えり
えり
うん
その後看護師さんを呼んでリハビリ開始。
ゆっくりベッドから車椅子に移って座る。
ジミンがブランケットを膝にかけてくれて車椅子の後ろに立つ。
看護師
じゃあ行きましょうか
外寒いかもしれないけど少しでも気分悪くなったらすぐに戻りましょうね
えり
えり
はい
その言葉のあと和帯はジミンに押されてゆっくりと進み始めた。

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