第13話

辻野くん
110
2019/03/01 11:44
辻野くん
辻野くん
悠木
音羽
音羽
な、何ですか?
辻野くん
辻野くん
そこの問題間違えてるよ
音羽
音羽
あ…
辻野くんは、私が答えを間違えていると、いつも教えてくれる。
音羽
音羽
教えてください…
辻野くん
辻野くん
分かった、ここは…
辻野くんが丁寧に説明してくれる。
辻野くん
辻野くん
…だから、答えはこうなる
音羽
音羽
…なるほど!
辻野くんの説明は、とても分かりやすい。
音羽
音羽
あ、ありがとう
辻野くん
辻野くん
いいえ~
辻野くんが微笑む。
彼も、女子に好かれるタイプだ。
見た目は、かっこいいというよりは可愛いけど、内面が紳士だ。
辻野くんに教えて貰ったところをメモしていると、後ろから肩をトントンされた。
振り向くと、高瀬くんが言った。
高瀬くん
高瀬くん
…勉強苦手?
音羽
音羽
あ、うん
高瀬くん
高瀬くん
俺、数学と英語なら教えられるけど、休み時間教えようか?
音羽
音羽
本当⁉是非お願いします!
高瀬くん
高瀬くん
あ、ちょ、声…
音羽
音羽
え?
先生
悠木さん?授業中の私語はつつしみましょうね?
音羽
音羽
あ、すみません!
先生
高瀬くんもね?
高瀬くん
高瀬くん
すみませ~ん
高瀬くんのおどけた言い方に、クラスに笑いが起きた。
男子
男子
高瀬…w
女子
女子
やば、おもろ…ww
先生
静かに!
男子
男子
すみませ~ん
女子
女子
すみませ~ん
クラスのみんなの態度に、先生は少し顔を赤くしてから、再び黒板に向き直った。
高瀬くんって、こんなこともするんだな…
私は、自然に笑いが込み上げてきた。

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