_________いろは宅_________
ビュオオオオオオオ
待たせすぎた!愛想尽きて帰っちゃったかも...
________その時
グサ
背中が刺される様な感覚がして、全身の力が抜けていく。
力を振り絞って顔を上げようとしたが、頭を踏みつけられて地面に押さえつけられる
ポンッ
コルクを開けるような間抜けな音がして、煙があたりに立ち込める。
煙が晴れて見えたのは、一枚の葉っぱと深く切り込みが入った木の幹だけだった。
ビュン
___________反応できないのも無理はない
足元に空気の球を作り、踏み込みと同時に破裂。こうすることでもはや肉眼では追えない速度に達する
それが風真の技。
_________が
星街は間一髪のところで刀を躱し、後ろにステップを踏み距離を取る。
バチバチバチ
星街の体の周りに空色の稲妻が迸る
ザシュッ
ガチャ
ダダダダダン
さっき開いた天井扉から苦無が勢いよく射出される。
まるで黒く光る稲妻のように
メラメラメラ
怒りからか星街の体の周りで陽炎が揺れていて
____________心なしか気温も上がってる気がする
まずいな...風真暑いの嫌いなんだけど...
待ってましたと言わんばかりに星街は笑い。
一枚のカードを取り出した
______________聞いたことがある
神がこの世界を創った時、8枚のエレメントというカードを隠したと。
今現在、存在が確認されているエレメントは6つ
都市一つ燃やし尽くせる程の火力を放てる『火炎』
かつての地球をも凍らせた『氷河』
過去、未来を自由に行き来できる『時空』
持ち主の知り得る全ての生物を従える『百獣』
触れたもの全て闇に染める『邪悪』
死者と対話し、現世に呼び戻せることのできる『黄泉』
やがて月が雲に隠れ光がなくなり、一層暗くなる。
深淵の中光る金色の斧と白銀の刀
________甲高い金属音が鳴り、火花が飛び散る
それは線香花火のように辺りを照らし、消滅してゆく。
___________風真と星街を中心に真っ青な魔法陣が展開され、辺り一帯青く光る
___________トスッ
何か落ちる音がする。星街はすぐ音に反応し武器を向けるが...
音を出したのは敵では無く"自分自身の体の一部"だった。星街の思考が停止する。
言い終わると同時。星街は地面を抉る程の力で踏み込み、強力な蹴りを風真に喰らわせる
___________間髪入れずに繰り出される斬撃。おそらく星街は本気ではないだろう
本気を出さず、片腕を失い、それでもなおこの力なのだから...やはり0期生を騙る程のことはある
星街が言い終わると同時。風真が受け止めている斧が破裂し、現れたのは無数の星
___________無理だ。あの体制からではどう頑張っても守りに回せない...
いや...違うな。例え風真が万全だったとして、あれを受け止めるのは無理だった。
星街は切れてしまった腕を眺め、ため息をつく
___________その時
地響きが鳴り、莫大な力を感じ取った星街
額には冷や汗が浮かんでいる
強烈な風が吹き、桜の花びらがその風に乗って空に舞う。
星街はそう叫ぶと、風真に斧を投げつける
風真は何の焦りも見せず、刀で斧を弾く...が
それは斧ではなく、魔法で姿を変えたただの石だった。
追い風、桜の位置、風真の隙、この全てが揃う時、星街が風真に直接攻撃できる
___________ポンッ
聞いたことのある間抜けな音
そして想定通り、目の前にあるのは深く切り込みが入った木の幹だった。
ポンッ
満身創痍で去っていく星街。
残ったのは家が建っていたとは思えないほど廃れた焼け野原だけだった...












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!