第4話

2話+α
72
2025/10/06 10:26 更新
_________いろは宅_________






ビュオオオオオオオ



風真いろは
風が...やけに騒がしいでござるな



星街すいせい
確かに騒がしいねぇ

風真いろは
うわっ!す...すすす...すいせい先輩!?!?というか今のは聞かなかった事に.....

星街すいせい
ごめんねー急に来ちゃって


風真いろは
いやいやいや!全然大丈夫でござるよ!狭い所ですがお茶でも飲んでってください!!


星街すいせい
じゃあいただごうかな!
風真いろは
少々お待ちください!
星街すいせい
はいはーい
風真いろは
......?





風真いろは
お待たせしま...って、あれ?すいせい先輩?



待たせすぎた!愛想尽きて帰っちゃったかも...


風真いろは
まずい!嫌われる!え...えと...こういう時はまず連絡からだよ...ね?



________その時

グサ
背中が刺される様な感覚がして、全身の力が抜けていく。

力を振り絞って顔を上げようとしたが、頭を踏みつけられて地面に押さえつけられる
星街すいせい
平和ボケしすぎなんじゃないの?
風真いろは
...
星街すいせい
ねぇねぇどんな気持ちかな?信用してた先輩に殺される気持ち
風真いろは
...ふっ
星街すいせい
...何笑ってんだよ...今の状況わかってんの?
風真いろは
いや。まんまと引っかかって滑稽だなーってね
風真いろは
こんなのも見抜けないなんて...お前も落ちたもんだな
星街すいせい
は?
ポンッ
コルクを開けるような間抜けな音がして、煙があたりに立ち込める。
煙が晴れて見えたのは、一枚の葉っぱと深く切り込みが入った木の幹だけだった。

星街すいせい
やられた...!偽物フェイクッ!




風真いろは
やっぱりぽこべぇに行かせて正解だったでござるな
風真いろは
お前.......誰?
星街すいせい
...
星街すいせい
えぇ?いろは忘れちゃったの?今日もかわいいすいちゃんだよ!
風真いろは
...
星街すいせい
はぁ...きっついな...
星街すいせい
いつから気づいてた?
風真いろは
最初から。あまりオタク風真を舐めるな
風真いろは
誰だか知らないけど風真の推しすいせい先輩の姿しないでくれる?
星街すいせい
嫌だね
風真いろは
まあいいや
風真いろは
喧嘩売ってきたの...そっちだから
ビュン
風真いろは
『鎌鼬』
星街すいせい
ッ!はやッ!
___________反応できないのも無理はない

足元に空気の球を作り、踏み込みと同時に破裂。こうすることでもはや肉眼では追えない速度に達する

それが風真のトリック



星街すいせい
っぶねー。風系は結構厄介なんだよなぁ



_________が

星街は間一髪のところで刀を躱し、後ろにステップを踏み距離を取る。
星街すいせい
やっぱ私風系苦手だなぁ
風真いろは
ちょこまかと...そんなに風真の刀が怖い?
星街すいせい
まぁ受けてやってもいいけど。少なくとも...たかが風で私は死なないけどね。君は私を舐めすぎだ
風真いろは
たかが風って...舐めてんのはそっちだろ
風真いろは
まさか自分が勝てると思ってるでござるか?
星街すいせい
当たり前でしょ。最後に勝つのは私。何があっても...ね
バチバチバチ
星街の体の周りに空色の稲妻が迸る
星街すいせい
『流星雷光』
風真いろは
風真に雷は通じないでござるよ
風真いろは
『風神裂』
ザシュッ
星街すいせい
あはっ!雷斬るなよ!
風真いろは
伊達に侍名乗ってるわけじゃ無いでござるよ



ガチャ
星街すいせい
(なんだ...?どこかが開く音...?)
風真いろは
あまり一つのことに集中しないほうがいいでござるよ
ダダダダダン

さっき開いた天井扉から苦無が勢いよく射出される。
まるで黒く光る稲妻のように
星街すいせい
ッ!流石に...
風真いろは
やっと焦った顔が見れた
星街すいせい
小細工ばっかりしやがって...


メラメラメラ

怒りからか星街の体の周りで陽炎が揺れていて





____________心なしか気温も上がってる気がする

まずいな...風真暑いの嫌いなんだけど...
星街すいせい
お前侍だろ?恥ずかしくないのかよ
風真いろは
奇襲仕掛けてきた奴に侍のプライドもクソもないでござる
風真いろは
まぁ。その奇襲も失敗に終わったでござるが
風真いろは
奇襲もまともにできないのに、お前は何ができる?
星街すいせい
これは大量に魔力使うからあんまり使いたくなかったんだけど...
そんなに舐められちゃあ...ねぇ?
待ってましたと言わんばかりに星街は笑い。
一枚のカードを取り出した
風真いろは
ゾクッ
風真いろは
(あれ...今まで感じたことのない程の魔力を感じる...)
______________聞いたことがある

神がこの世界ホロライブを創った時、8枚のエレメントというカードを隠したと。



今現在、存在が確認されているエレメントは6つ




都市一つ燃やし尽くせる程の火力を放てる『火炎』

かつての地球をも凍らせた『氷河』

過去、未来を自由に行き来できる『時空』

持ち主の知り得る全ての生物を従える『百獣』

触れたもの全て闇に染める『邪悪』

死者と対話し、現世に呼び戻せることのできる『黄泉』



星街すいせい
エレメント起動
星街すいせい
『灼熱にて純情』








星街すいせい
やっとあの小細工ばっかの家から抜け出せた
風真いろは
やっぱり...エレメントを...
星街すいせい
これでフェア。さあ...ゲームを始めようか
星街すいせい
『サイコアックス』
風真いろは
...お前がなんですいせい先輩の姿をして、なんで殺しに掛かってくるのかは知らないでござるが
風真いろは
最後の警告だ。今退かないのなら終わらせる
星街すいせい
退く?寝言は寝て言え。私は「風真いろは」を奪いにきたんだぞ?
風真いろは
...そうか
やがて月が雲に隠れ光がなくなり、一層暗くなる。




深淵の中光る金色の斧と白銀の刀

星街すいせい
ふっ!


________甲高い金属音が鳴り、火花が飛び散る


それは線香花火のように辺りを照らし、消滅してゆく。




星街すいせい
中々っ!力あるじゃんっ!
風真いろは
ぐっ...
星街すいせい
でも




___________風真と星街を中心に真っ青な魔法陣が展開され、辺り一帯青く光る

風真いろは
ッッ回避...
星街すいせい
させないよ~?
星街すいせい
星の鎖スターチェーン
風真いろは
足がッ...
星街すいせい
準備完了。出力最大
星街すいせい
星の怒りスターレイジ』...って
風真いろは
ふぅ.......ふぅ.......ふぅ.......
星街すいせい
斬られてんじゃん...
風真いろは
( 危なかった...あれに当たってたら確実に死んでた... )
星街すいせい
いやぁ...やっぱ私時短癖あるなぁ...
星街すいせい
やっぱりじっくりコトコト確実に...か
風真いろは
ブースト!
星街すいせい
おっと。相変わらず早いねぇ
風真いろは
チッ
___________トスッ


何か落ちる音がする。星街はすぐ音に反応し武器を向けるが...


音を出したのは敵では無く"自分自身の体の一部"だった。星街の思考が停止する。
星街すいせい
.......
風真いろは
首狙ったんだけど...
星街すいせい
...はっ。腕の一本くらい無くたって戦えるさ
言い終わると同時。星街は地面を抉る程の力で踏み込み、強力な蹴りを風真に喰らわせる
風真いろは
.....うっ......
風真いろは
やばッ!
___________間髪入れずに繰り出される斬撃。おそらく星街は本気ではないだろう



本気を出さず、片腕を失い、それでもなおこの力なのだから...やはり0期生を騙る程のことはある
星街すいせい
片手でも斧は握れるんだよ
星街すいせい
ま。当たり前のことだけどね
風真いろは
こいつ...喋りながら...っ
星街すいせい
『創星剣舞』
風真いろは
くっ!
風真いろは
まだっ!なんとか受けれる...!
星街すいせい
あー。この技はねぇ...














星街すいせい
受けられる事を前提とした技なの





星街が言い終わると同時。風真が受け止めている斧が破裂し、現れたのは無数の星

風真いろは
がふっ......
___________無理だ。あの体制からではどう頑張っても守りに回せない...




いや...違うな。例え風真が万全だったとして、あれを受け止めるのは無理だった。
星街すいせい
終わり...かな
風真いろは
はぁ...はぁ...ま...だ...
星街すいせい
その体の大きさでその傷はもう戦えないよ
星街すいせい
心配しなくても大丈夫。君の仲間も送ってあげるさ
風真いろは
...ッ!
星街すいせい
『スターバースト』








星街すいせい
終わり...か。まずはこの腕をどうするか

星街は切れてしまった腕を眺め、ため息をつく





___________その時
星街すいせい
(なんだ?この圧。)


地響きが鳴り、莫大な力を感じ取った星街






額には冷や汗が浮かんでいる
星街すいせい
まさか...メモリーの覚醒...?
風真いろは
(力がみなぎる...体の痛みが引いていく...)
風真いろは
皆殿は...風真が守る
星街すいせい
そっかぁ...覚醒しちゃったかぁ...
星街すいせい
(トリガーは何だ?さっきの言葉から考えるに...防衛本能?...わかんねぇ...)
星街すいせい
尚更君のメモリー、欲しくなっちゃった
風真いろは
代々受け継がれてきた技...きっと今なら使えるはず...
風真いろは
『風を仰ぎし麗容な』


強烈な風が吹き、桜の花びらがその風に乗って空に舞う。



星街すいせい
この桜...
風真いろは
なに見惚れてるでござるか!
星街すいせい
くっ!
星街すいせい
(弱めの洗脳、判断力を鈍らせる感じか。それに...)
星街すいせい
この桜。全部刃物の類だな?
風真いろは
御名答。この桜の花びら一枚一枚が風真の刀に負けないほどの切れ味をもつ『刃』
星街すいせい
(だいぶ不味いな...風が吹く方向も変えれるのか...花びらがどう動くか読めない)
風真いろは
立場逆転。片手を失った状態でどう戦う?
星街すいせい
長引けば長引くほどこっちが不利になるか。丸腰になるからやりたくなかったけど
星街すいせい
行ってこい!サイコアックス!
星街はそう叫ぶと、風真に斧を投げつける
風真いろは
随分とまあ原始的な...
風真は何の焦りも見せず、刀で斧を弾く...が

それは斧ではなく、魔法で姿を変えたただの石だった。
星街すいせい
まんまと騙されたな。自分が不利になることする訳ないだろ
星街すいせい
そして、やっと隙ができたな?
風真いろは
っ...
星街すいせい
風を操作しようとしてもそうはさせない
追い風、桜の位置、風真の隙、この全てが揃う時、星街が風真に直接攻撃できる
風真いろは
あッ...
星街すいせい
さよなら










___________ポンッ

聞いたことのある間抜けな音

そして想定通り、目の前にあるのは深く切り込みが入った木の幹だった。
星街すいせい
...忍者が...
風真いろは
Notニンニン Yesジャキンジャキン...でござる
星街すいせい
ッ!
風真いろは
はぁ...はぁ...風真の勝ち...でござる
星街すいせい
侮っていた...覚醒したことによってこれほど身体能力があがるとは...
風真いろは
それが最後の言葉か?
星街すいせい
私の魔法は敵の技の『コピー』もできる。...何が言いたいかわかるか?
風真いろは
何言っ...
ポンッ
風真いろは
...う"っ...
星街すいせい
よかった...上手く行った...
風真いろは
くそっ...こんな...偽物に...
星街すいせい
君は気づいてないかも知れないけど、君は心の奥底で躊躇していたんだよ。
星街すいせい
「憧れの先輩を...」「もし本物だったら...」そんな心の声が常に聞こえてきた。
風真いろは
はは...当たり...容赦しない。とか言って自分に発破かけたはいいものの...
ひとかけらの不安が風真の心の余裕を蝕んでいった..
星街すいせい
..........いろは
星街すいせい
__________
風真いろは
........は...はは......
星街すいせい
...何だ?何で...涙が...






星街すいせい
.....帰ろ
満身創痍で去っていく星街。

残ったのは家が建っていたとは思えないほど廃れた焼け野原だけだった...

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