第5話

× × ×
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2025/05/20 11:32 更新
 それから何度もスクールカウンセラーに通ったけど、
 毎日同じようないじめを受けていた私は
 毎週同じことをスクールカウンセラーの先生に話し、
 だんだん意味がないのではと思うようになった。

 スクールカウンセラーを完全にやめたのは
 中3の秋頃。

 そもそも学校に行く頻度も減っていたから
 ほぼ自然消滅みたいな感じだった。


 中3の夏休み明けすぐから
 秋にある体育祭の練習が始まり、
 スクールカウンセラーだけではやっていけずに
 保健室でしょっちゅう時間潰しをしていた私は
 熱中症を理由に早退しようと企んでいた。

 でも早退に成功したことはなかった。

 本当は察してほしかった。
 毎回毎回授業の途中で抜け出して
 日陰でしゃがみこんで水を飲んで
 頭が痛いとか必死に演技して、
 その場から動かないのは
 教室に戻りたくないからだって。

 今まで何度も相談してきたのに、
 「帰りたい」って何度も言ってきたのに
 察してはくれなかったし
 味方してくれることもなかった。

 全部「証拠がないから」とか「気のせい」とか
 「思い込み」とかそういう言葉で片付けられて
 私の言葉に耳を傾けてもくれなかった。

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