💎side
もしかして、告白の返事を催促するつもりなのかという考えが、僕の頭を過る。
でも、優しいいふくんのことだ。
相手を急かすようなことはしないはず。
そう分かっているのに、いふくんへの返事をしなきゃと焦っている自分がいた。
いふくんは、僕の問いに、少し考える素振りを見せて、
と、苦笑を浮かべた。
少し安堵しながら、さっき拾った写真を取り出す。
綺麗な群青色の長髪をなびかせて、こちらに微笑みかける、綺麗な女性の写真。
そっと、いふくんに見せてみると、いふくんが綺麗な群青色の目を輝かせて、嬉しそうに笑った。
僕から写真を受け取り、大事そうに抱えるいふくん。
相当大事なものなんだなぁと、思わず頬が緩む。
これだけ綺麗な女性だ。
多分、いふくんの元元カノ…なのだろう。
…もしかしたら、今カノかもしれないけど。
生まれた可能性を、自分の中で塗りつぶす。
彼を恋愛的に好きじゃないとしても、友達として、そうであってほしくなかったんだ。
…不誠実なことをしているのは、こっちの方ではないか。
彼のキラキラした笑顔が心に染みて、少し俯く。
心の整理は、もうとっくについている。
僕は、頬を緩ませて、写真を見つめるいふくんの顔を見つめて、口を開いた。
少し声のトーンが低くなった僕の様子に、何かを察したのか、心配そうな表情を浮かべて、僕の目を真っ直ぐに見つめた。
僕は、震える口を、ゆっくりと開いた。
変にオブラートに包んで、いふくんを逆に傷付けるのが嫌で、真っ直ぐな思いをぶつける。
いふくんは、少し震えた声で、言葉をこぼした。
いふくんの表情を見て、胸が締め付けられた。
僕の言葉に、焦ったように身を乗り出すいふくんの口に人差し指を当てて、言葉を遮る。
いふくんの表情に浮かんでいるのは、悲しみではなくて、安心の色だった。
どこかほっとしたような、そんな表情。
彼のことだ。
僕が倒れたのは自分のせいだと勘違いして、守らなきゃという正義感を、恋と間違えてしまったのだろう。
僕は、笑みを浮かべて、小さく口を開いた。
腕に光る、薄い桃色のブレスレットに、いつも通りの香水の匂い。
その全てが、ないちゃんを好きだと物語っていて、彼の不器用さに、思わず焦れったくなる。
優しくて不器用な君が、やっぱり大好き__。
続く














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。