第7話

7話 僕は自殺志願者
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2024/02/03 19:52
_渦宮@ウズミヤ_シホ
渦宮ウズミヤシホ
全てわかったよ。
_渦宮@ウズミヤ_シホ
渦宮ウズミヤシホ
まさか、2回目の日記で
全部わかるなんて
思わなかった。
柴崎健太しばさき けんた
そうだ...
俺の気持ちもわかるか?
お前の病気を知って、
演じたさ。お前がどんなことを
したことを....黙ってな。
柴崎健太しばさき けんた
ごめん。
殴るつもりはなかったんだ。
_渦宮@ウズミヤ_シホ
渦宮ウズミヤシホ
でもまだわかってないことがある。
何故、僕が自殺志願者なのだ?
僕は自殺することできない。
どんなに嫌なことがあっても。
自殺をするなんて、考えたこともなかった。
考えるつもりがないのだ。
それは何故か、考える必要がないからだ。
何故、考える必要がないのか。
だって....















僕は死ぬのだから・・・・・・・・・・・・・・・
???どうしてそうなんだ?
どうして僕は死ぬのだ?
咄嗟に出た考えに戸惑いを隠せない。
隠す必要はない。考えないといけないのだ。
考え続けないと、僕はわからないのだ。
必要なことなのだ。
柴崎健太しばさき けんた
イトハのところに行けば、
きっと全てわかると思うぞ。
お前が好きだったのは本当さ。
こんな俺を許してくれ。
_馬場麗@ばば うらら_
馬場麗ばば うらら
シホ先輩。
うらら、会えて嬉しかったよ。
何処かで聞いたことのある言葉だった。
その言葉が僕のこの先に運命を意味する。
僕はそれを理解する。
そろそろ死ぬのだ。
この言葉は、僕の友達が言った言葉で
西田に向けた言葉だろう。
僕は病院に向かった。

店→病院
そして、僕は屋上に向かう。
屋上に行く理由はない。
自殺する人間の行く場所はやはり,
上だからだ。
屋上の扉を僕は開ける。
やっぱりいるよね....



































_白雪絃葉@シラユキ イトハ_
白雪絃葉シラユキ イトハ
来るのが遅いんだよ。
_渦宮@ウズミヤ_シホ
渦宮ウズミヤシホ
僕は貴方にドナーになるって
言ったんだ。それが一番最初。
_渦宮@ウズミヤ_シホ
渦宮ウズミヤシホ
でも、僕はそれを忘れたのに、
さらに貴方の好きな人を奪ったんだ。
_白雪絃葉@シラユキ イトハ_
白雪絃葉シラユキ イトハ
うん。そうだよ。
貴方はこの屋上で後ろを振り向いて、
心臓の病気を抱えていたあたしに
希望をくれた。
_白雪絃葉@シラユキ イトハ_
白雪絃葉シラユキ イトハ
でも、貴方はそれと同時に
絶望をくれたよね?
_渦宮@ウズミヤ_シホ
渦宮ウズミヤシホ
ええ,もちろん。
_白雪絃葉@シラユキ イトハ_
白雪絃葉シラユキ イトハ
あたしに生き地獄でも
させるつもりだったの?
あたしが苦しんでるのが
わかってたくせに無視したよね?
_白雪絃葉@シラユキ イトハ_
白雪絃葉シラユキ イトハ
挙げ句の果てに記憶まで
なくなっちゃってさ?
どういうつもりなの?
貴方が辛いの?
_渦宮@ウズミヤ_シホ
渦宮ウズミヤシホ
辛くない。死にたいと思っても、
辛さとは関係なかった。
死にたいという形が欲しいのだ。
そうすることで周りが僕の気持ちを
わかってもらうためなんだ。
_白雪絃葉@シラユキ イトハ_
白雪絃葉シラユキ イトハ
わかってどうする?
共感でもしてもらうの?
そういうアピールはやめてよね。
気持ち悪い...
_渦宮@ウズミヤ_シホ
渦宮ウズミヤシホ
こうでもしないと!
誰が僕の気持ちに
気づいてくれるんだよ!
それをやらなかった時、
誰も気づいてくれなかった。
助けようともしなかった。
_渦宮@ウズミヤ_シホ
渦宮ウズミヤシホ
ゲラゲラ笑って何が楽しいんだよ。
僕はずっと辛い気持ちを隠してた。
笑ってる人が嫌い。
_白雪絃葉@シラユキ イトハ_
白雪絃葉シラユキ イトハ
あたしは貴方が嫌い。
シホ、嫌いだよ。
大嫌いだよ。
_白雪絃葉@シラユキ イトハ_
白雪絃葉シラユキ イトハ
貴方は自分勝手だよ。
_渦宮@ウズミヤ_シホ
渦宮ウズミヤシホ
自分勝手じゃなかったら、
この気持ちはいらないな。
ある程度は自分の気持ちが必要だ。
周りを見てみなよ。沢山いるだろ?
自分勝手な人間が...
_白雪絃葉@シラユキ イトハ_
白雪絃葉シラユキ イトハ
定まらないものを
考えてるんだね。
あたしたち。
_渦宮@ウズミヤ_シホ
渦宮ウズミヤシホ
そうなんだよ。誰も答えを知らない。
どうしようもできないんだよ。
誰かが、嫌な思いして、
僕の幸せがあるんだ。
それは貴方も同じだ。
誰かを踏んで、僕たちは生きている。
だから、今度は僕の番だ。
何度だって言ってやる。

















自殺志願者
自殺志願者
僕は貴方のドナーだ。
貴方の絶望を救ってあげる。
僕の心臓を使ってね。
自殺志願者
自殺志願者
これを貴方に言ったんだよね。
死のうとしている貴方に。
_白雪絃葉@シラユキ イトハ_
白雪絃葉シラユキ イトハ
どうせ、心臓の病で死ぬから
自殺しても同じだと思った。
自殺志願者
自殺志願者
僕は貴方を救いたかった。
だから、僕は貴方の
踏み台になることに決めたのだ。
自殺志願者
自殺志願者
これが僕が望んだことなのだ。
_白雪絃葉@シラユキ イトハ_
白雪絃葉シラユキ イトハ
あたしたちは他人にはなれないね。
貴方の心臓はあたしのものとなり、
貴方はあたしになる。
自殺志願者
自殺志願者
僕がそれを望むんだよ。
僕は許されないことをした。
彼女にとって。
僕たちは病院内に戻り
医者のところに行った。
緊急手術だ。もう少しで
手遅れになるところだった。
僕たちを繋げる心臓移植が始まるのだ。







次の日


























_白雪絃葉@シラユキ イトハ_
白雪絃葉シラユキ イトハ
たーちゃん...わざわざ、
病院に来なくてもいいのに。
手術は成功したんだよ。
柴崎健太しばさき けんた
心配だったもんでな。
_白雪絃葉@シラユキ イトハ_
白雪絃葉シラユキ イトハ
あたしはシホちゃんの
たーちゃんへの想いは僕が
伝え続けるよ。
_白雪絃葉@シラユキ イトハ_
白雪絃葉シラユキ イトハ
僕が....悪いんだから。
_白雪絃葉@シラユキ イトハ_
白雪絃葉シラユキ イトハ
最初から、関わらなければ
よかったし、それはシホちゃんの
為になったはずだ。
柴崎健太しばさき けんた
それでもないんじゃないか?
シホは酷いこともしたけど、
イトハのことを本気に救おうと
1回目のあいつが心臓移植のドナーに
なってくれたんだ。
柴崎健太しばさき けんた
その時のあいつは
いい顔してたぜ?
褒められることを目的としてない姿は
輝いていたよ。まるで星みたいだったさ。
_白雪絃葉@シラユキ イトハ_
白雪絃葉シラユキ イトハ
でも、こうして僕たちは
付き合ってるし、
形は違えど、シホちゃんも
好きな人の隣になれたんだ。
_白雪絃葉@シラユキ イトハ_
白雪絃葉シラユキ イトハ
これでよかったって
思っていいんだよね。
柴崎健太しばさき けんた
.....そうだな。
僕は





僕は









僕は























シホは自殺志願者だ。









そして彼女は人生という扉から















飛び降りたのだ。

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