第7話

展開
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2023/10/05 00:27

比べるものじゃないけども、居心地が全然違う

旅人さんは触れたらまずいと

両手を上げたまま 硬直している
烏 旅人
勘違いしたくなるんやけど

勘違いしてほしい

この人を独り占めしたい
烏 旅人
あなたちゃん?
あなた
好きです

振り絞った震えた声

届いた…かな?

恐る恐る顔を確認すると

鳩が豆鉄砲くらったみたいな表情
烏 旅人
ちょ、触れるで

肩を押し返されて距離をとられる

奥さんも彼女さんもいないとは言っていたけど

好きな人は別でいるのかもしれない

今から振られて冷たいシャワー生活で

今後 気まずい隣人になるんだ
烏 旅人
今、色々困惑してるだけかも知れへんから
この話はまた今度にせぇへん?

考えていたものよりかはマシな結末だったけど

明日の職場も 隣人とも

普通の顔して会える自信がない


キリキリと痛む胃を押えながら

なるべくいつも通りに振舞って出勤をする
上司
これ頼むぞ
あなた
はい

少し事務作業の仕事を多く回されるくらいで

職場は案外平穏な日々


旅人さんとはなかなか顔を合わせるタイミングがなく

給湯器も直ってしまった

もしかしたら、逃げられているのかもしれない


また後日、話をするって言ったって

連絡先を知らない

隣だからいつでも会えるなんて

愚かな考えだった
あなた
はぁ……

無意識に溢れ出すため息

外回り帰りでたまたま寄ったコンビニで

あるものが目に入った
あなた
今週末…サッカーの試合あるんだ

職場から目と鼻の先にあるスタジアム

頻繁にイベントが行われていて

あまり気に止めていなかった
同期
あなた興味あんの?
あなた
いや、何となく目に止まって

サッカーと大した繋がりはない

元彼が出ている試合を何度か見に行った程度

それも何年前の話やら
同期
チケット貰ったんだよな

週末予定もなく、

家にいても考え込んでしまうだけ

気分転換も兼ねて 同期に付き合うことにした

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