第8話

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2024/11/28 14:16 更新




カバンを手に強く握りながら、必死に駆け抜ける



あなた
っは…はぁ…!!




_あれ、今日って一限目から小テストだったよね…?



あなた
もうっ…よりによって大事な日に_!





絶対に遅刻は出来ない。なんとしてでも間に合わないと…!






でも、でもっ___!!


あなた
っは……も、走れな…






肩で息をしながら足を止める


止まったらダメだってわかってるけど…体力がない私にはこれ以上走るのは限界だった



体が重い…息が苦しい……!



あなた
うぅ、ゴールはあともう、少し……!!





膝から手を離し、再び小走りに切りかえて足を進める


あそこまで走れば間に合う、あとちょっと__!





そして角を曲がった瞬間、見覚えのある人物が目の前に現れた





あなた
放浪者くんっ…?!



放浪者
何、君も遅刻かい?寝坊助め



放浪者くんがふとこちらを見て、視線を送る


その瞬間、目が合って一瞬だけ時が止まった気がした




あなた
ほ、放浪者くんだってそうでしょ!




視線が離れた後、慌てて反論するが放浪者くんは軽く鼻で笑った




放浪者
君と一緒にしないで欲しいね



あなた
全然説得になってないけどっ……



放浪者
…へぇ、そんなにお喋りする余裕があるなら心配しなくても大丈夫そうだね?


放浪者
それじゃ_





そう言って、放浪者くんはすごい勢いで走り出す


嘘、あれでまだスピード出るの…?!



あなた
はやっ…?!





思わず放浪者くんの背中を見送るが、あまりの速さに驚いて足が止まりかける





あなた
ちょ、待ってよ!早すぎるってば…!





目の前で放浪者くんがさらっと走り去って行くのを見ながら、私は必死で足を動かす


でも、足が重い__呼吸も荒くて、もう限界…!






そんな私を見かねてか、放浪者くんがふと立ち止まり少し戻ってきた




放浪者
…遅い、何してるんだ



あなた
な、なんで戻ってきたの!?自分だけ行けばいいじゃん…!



放浪者
それじゃお前が置いていかれるだろ





放浪者くんがあっさりと言うと、私の手を引いてくる


てかさっき普通に置いていく素振り見せてたじゃん?!



あなた
わっ…





驚く暇もなく、すぐに引っ張られあっという間に歩調が合わせられる




あなた
うわっ、待って…!そんなに引っ張ったら…!



放浪者
それくらいしないと間に合わないだろ





肩を並べて走りながら放浪者くんは冷静な顔でそう言うけど、その手の温もりを感じて心臓がバクバクする



あなた
だとしても…もう少し優しく引っ張って…!



放浪者
遅刻したくないなら黙ってついてこい





軽くため息をつきながらも、彼のペースに合わせて走る


しばらく走った後、ようやく校門が見えてきた









放浪者
どうやら間に合ったようだね





放浪者くんが軽く肩をすくめて言ったけど、私は息を切らしながらも安堵のため息をついた




あなた
あ、ありがとう…放浪者くんっ……



放浪者
別に、当たり前だろう





無愛想に返事をしながらも、少しだけ嬉しそうな表情を見せる放浪者くん



その一瞬だけ、彼の優しさがちょっとだけ見えた気がした









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