第35話

音楽室の異形 壱
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2025/05/07 08:00 更新
武田 琉唯
武田 琉唯
おい!一樹!
武田 琉唯
武田 琉唯
しっかりしろ!
先輩の声で、ハッとした。当たりを見渡すと周りは真っ黒な人、廃だらけだった。
古葉 一樹
古葉 一樹
すみません、先輩、ありがとうございます
今まで観客だと思っていた人は廃だったのだ。僕は全く周りが見えていなかった。それと同時に自分はまだまだ未熟なことに気がついた。
正直それなりに異形と戦ったし、七不思議も倒した。だからちょっとは成長出来てると思っていたが、こんなに視野が狭かったなんて…少しショックだった。
武田 琉唯
武田 琉唯
大丈夫だ。お前はそんなに弱くないよ
武田 琉唯
武田 琉唯
まだまだ俺には及ばないがな!
古葉 一樹
古葉 一樹
え、声に出てましたか?
武田 琉唯
武田 琉唯
いや、僕はなんて未熟なんだ…って顔してたから
僕の声を真似ているのだろうけど…あんまり似てない。
武田 琉唯
武田 琉唯
俺も初めは気づかなかったから。これはあいつの能力だ。詳しくは分からないけど脳に刺激を与えるタイプの能力なのは間違いない。
古葉 一樹
古葉 一樹
つまり、幻覚を見せられていたかもしれない、って事ですか?
武田 琉唯
武田 琉唯
そういう事だ
古葉 一樹
古葉 一樹
なるほ…
武田 琉唯
武田 琉唯
一樹!危ない!
自分がどのような状況に置かれているのか理解した。
そして、それと同時に先輩が大きな声を出しながら僕の腕を引っ張った。
古葉 一樹
古葉 一樹
わっ
突然のことに頭が追いつかず、強い力で引っ張られたので訳が分からないまま、気がつけば先輩の後ろにいた。
古葉 一樹
古葉 一樹
何ですか?
やっと自分でバランスが取れるようになり、先輩の手が僕の腕から離れたので後ろを振り返ると、そこには廃がいた。が、一瞬で目の前から消えた。

先輩が一振で廃を倒してくれたのだ。
古葉 一樹
古葉 一樹
ありがとうございます
武田 琉唯
武田 琉唯
大丈夫か?
古葉 一樹
古葉 一樹
はい、怪我はありません
武田 瑠美
武田 瑠美
あ、見つけた
古葉 一樹
古葉 一樹
瑠美さん!
安全確認をし合っていると、少し離れたところから声が聞こえて、その方向を見ると瑠美さんがこちらに向かって歩いてきた。
武田 瑠美
武田 瑠美
あなたたちは本物?
古葉 一樹
古葉 一樹
どういう意味ですか?
武田 琉唯
武田 琉唯
異形の能力か
瑠美さんは異形によって僕らの幻覚を見せられていたと言うことだろう。
だから僕らの事を疑った。
古葉 一樹
古葉 一樹
なるほど…僕らは本物ですよ
瑠美さんはじっとこちらを見て言葉を発した。
武田 瑠美
武田 瑠美
一樹さんは本物っぽいですね。
信じて貰えたようで良かったと安心したのも束の間。
武田 瑠美
武田 瑠美
でも、兄さんは偽物ですよね
古葉 一樹
古葉 一樹
え…?
武田 琉唯
武田 琉唯
何言ってんのさ。本物だよ。
武田 琉唯
武田 琉唯
肉体は…ね。
古葉 一樹
古葉 一樹
乗っ取られたってことですか?
武田 瑠美
武田 瑠美
そうっぽいですね
見た目は全く変わっていないが、中身が先輩では無くなってしまっているらしい。

でも、僕が見た限り僕が襲われる前までは中身も先輩だったはずだ。
つまり、乗っ取られたのはついさっきだという事だ。と瑠美さんに伝えた。
巫 琴音
巫 琴音
まぁ、異形の仕業だろうね。
武田 瑠美
武田 瑠美
じゃあ、洗脳タイプの妖術じゃない…と?
巫 琴音
巫 琴音
いや、たまに居るんだよ。能力無しに人にとりつけるのが。
古葉 一樹
古葉 一樹
妖術を使わなくてもとりつける能力を使って先輩にとりついたのか。
武田 瑠美
武田 瑠美
厄介ですね
つまり、異形は先輩の中で、先輩を倒さないと異形を倒せない。
古葉 一樹
古葉 一樹
けどなぁ、先輩を傷つけるなんて…
武田 琉唯
武田 琉唯
ふっ、そうだろうそうだろう。傷けられないだろう。

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