第30話

君 の 愛 は 重 す ぎ る か ら
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2024/06/19 11:26







_長尾_











みっちーと僕が付き合い始めた、去年の高校二年生の時












とっても優しくて、健気で、なんでも出来て














そんなみっちーと付き合えた僕は運を使い果たしたぐらい幸せな日々を送ってた













でも、今年の春、












長尾「僕、東京に引っ越すことになった。」











僕の引越しが決まった















道枝「え、は、?」












長尾「だから、ごめん、みっちーとはこのまま付き合えん」











道枝「ちょ、待ってよ、うそやんな?なあ、嘘って言ってや」












そう言って僕肩を揺らすみっちーは、見たことないくらい絶望した顔をしていた














長尾「大丈夫や、みっちーなら可愛い彼女すぐできるで」











道枝「長尾じゃなきゃいややって、俺の彼女は一生長尾だけや」










頑なに現実を受け止められないみっちーを、もう見守るしか手段がなかった










次の日の夕方、突然みっちーから電話がかかってきた











道枝「俺さ、お母さん説得して、東京行けることになった、だから、一緒に住もう」












長尾「ぇ、ど、いう、」












みっちーの所はお父さんが既に亡くなっていて、お母さんと二人暮しやと聞いた














俺も見た事のある、あの険しそうな顔したお母さんを、?












俺は正直信じられんかった













長尾「でも俺、家族と住む」













道枝「、は、?、長尾のとこってお父さん以外は東京行かんのよね」













長尾「、おん、俺とお父さんの2人」












道枝「、、。」














なんの返事もなく、電話が切られた












次の日、俺がお母さんと引越しに向けての買い出し、妹はおばあちゃんと一緒に公園で遊んでいた時、












お父さんは家で仕事中やった












買い出しが終わったあと、近所の方からお父さんが何者かに暴行されたと聞いた













今救急車に緊急搬送されたらしい













長尾「お父さん、、」












お父さんのいる病院へと走る













到着したが、お父さんは緊急手術中らしく、また明日来てくださいとの事やった












諦めて家に帰る道を歩いていると











道枝「長尾、どうしたん?」













長尾「みっちー、。手、みせて」













道枝「え、急に何やねん、 笑」











長尾「いいから見せて」











みっちーの手を強引に引っ張る













その手は真っ赤な血で染まっていた













道枝「これはお母さんを殴った時の返り血や、長尾のお父さんはちゃう、」












長尾「説得するためにお母さん殴ったんか」












道枝「、しょうがないやろ、?、長尾のお父さんも一緒に住むことなかなか納得してくれんから、」













長尾「みっちー、一緒に住むから、やから、これ以上家族まで縛らないで」












これが最後に外に出た日やった










end

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