僕は見てることしかできなかった。でも分かる。これ以上戦ったら兄様が死んでしまうということぐらいは。ねぇ、兄様。先に行かないでよ。いつも1人で勝手に行動して馬鹿みたい。そんなんだから、甘いんだよ。
デリザスタが僕のことを閉じ込めていた檻を壊す。俺は近くにあった杖を拾い、兄様に近づく。
兄様の怪我が治っていく。兄様今頃驚いてるだろうな。僕がセコンズを使えること。
兄様の意識を落とす。兄様はそのまま床に倒れる。後ろから抱きつかれる。腹をなぞるように触られる。
トントンっと触られる。そう、僕とデリザスタはそういう関係。体だけの関係。
マッシュくん達は、負けると見込んで一回引いたらしい。多分、僕と兄様は戦死したと思われているのだろう。イノセントゼロは最強。初めて見た時思った。この人に逆らってはいけないと、、だから、今日も都合の良い駒になる。
い
つ
か
む
く
わ
れ
る
と
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!