第3話

カゲロウデイズ
67
2024/06/05 11:44
あなた
(うーーん)
あなた
(なにか歌いたい)
あなた
(ボカロ歌いたい)
あなた
(禁断症状がッッッ)
あなた
歌うか…
あなた
八月十五日の午後十二時半くらいのこと
あなた
天気がいい
あなた
病気になりそうなほど眩しい日差しの中
あなた
することもないから君と駄弁っていた
あなた
でもまぁ
あなた
夏は嫌いかな
あなた
猫をなでながら君はふてぶてしく呟いた
♪〜♫〜〜〜♬
ラギー
なんか聞こえるっすね
あなた
あぁ
あなた
逃げ出した猫の
あなた
後を追いかけて飛び込んでしまったのは
あなた
赤に変わった信号機
レオナ
?!
ラギー
?!
ジャック
?!
あなた
バッと通ったトラックが
あなた
君を引きずって泣き叫ぶ
あなた
血しぶきの色
レオナ
(あいつッ……)
あなた
君の香りと
あなた
混ざり合ってむせ返った
あなた
嘘みたいな陽炎が嘘じゃないぞって
あなた
嗤ってる
あなた
夏の水色かき回すような
あなた
蝉の音に全て眩んだ
ラギー
(歌詞やばいっすね)
ジャック
(監督生……)
あなた
目を覚ました時計の針が鳴り響くベッドで
あなた
今は何時?
あなた
八月十四日の午前十二時過ぎ位を指す
あなた
やけにうるさい蝉の声覚えていた
ラギー
(?)
あなた
でもさぁ
あなた
少し不思議だな
あなた
同じ公園で昨日見た夢を思い出した
あなた
もう今日は帰ろうか
あなた
道を抜けたとき
あなた
周りの人は皆上を見上げ口を開けていた
あなた
落下してきた鉄柱が
あなた
君を貫いて突き刺さる
ラギー
!!!!!
ジャック
レオナ
!!
あなた
劈く悲鳴と風鈴の音が
あなた
木々の隙間で空回り
あなた
ワザとらしい陽炎が
あなた
夢じゃないぞって嗤ってる
あなた
眩む視界に君の横顔
あなた
笑ってるような気がした
レオナ
(…)
ジャック
……………
ラギー
(監督生クン……)
あなた
何度世界が眩んでも陽炎が嗤って奪い去る
あなた
繰り返して何十年
あなた
もうとっくに気がついていたろ
ラギー
レオナ
(なんだ……)
ジャック
(なんだ?………)
あなた
こんなよくある話なら
レオナ
!!
ラギー
レオナさんなんか気づいたんっすか?
レオナ
……………
あなた
結末はきっとひとつだけ
あなた
繰り返した夏の日の向こう
あなた
バッと押しのけ飛び込んだ
あなた
瞬間トラックに
あなた
ぶち当たる
ラギー
(なんで、…)
ジャック
(?!!??!?!)
あなた
血飛沫の色
あなた
君の瞳と
あなた
軋む体に乱反射して
レオナ
(やっぱりな…)
あなた
文句ありげな陽炎に
あなた
ざまぁみろよって笑ったら
あなた
実によくある夏の日のこと
あなた
そんななにかがここで終わった
ジャック
………………
ラギー
……………
あなた
目を覚ました
あなた
八月十四日のベッドの上
あなた
少女はただ
あなた
またダメだったよと一人猫を抱きかかえてた




あなた
ふぅ
ジャック
監督生ッッ
ラギー
監督生くんッッ
レオナ
………草食動物
あなた
あなた
どうしましたか?
あなた
(やっべ、また歌ってるとこ
見られちまった恥ず)
ジャック
どうしましたじゃないだろっ
ラギー
そうっすよ
ラギー
なんでこんなになるまで
放っておいたんすかっ
レオナ
……………
あなた
嫌だからなにもないっt(汗)
レオナ
来い
あなた
レオナ
来い(圧)
あなた
ア、ハイ
サバナ組は無事過保護になったのだった















めでたしめでたし☆
あなた
何処がいいの💢

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