拓弥side
テレビをつけたまま、ソファで横になっている。
リモコンを持ったまま、画面の光が天井に揺れているのを見つめる
スマホを手に取って、画面を点灯させる。
何かを探す訳でもない、ただ、指が画面を滑る
昨日の夜、あなたが座り込んでいたコンビニの近くを、地図で調べる
自分のマンションから、コンビニまで徒歩3分
あなたが話していた最寄り駅は、ここから電車で20分くらいの場所だったはず。
地図アプリを閉じて、SNSを開く。
タイムラインを流れる文字が、全部他人事に見える
ファンからのDMも、マネージャーからの連絡も
今は全部無視したい
スマホをサイドテーブルに置き、腕を枕にして天井を見上げる
あなたのショートヘアをブラシでとかした時の、あの柔らかい手触りがまだ指先に残っている気がする
絆創膏を貼る時に触れた、肌の温もりも
目を閉じる。
瞼の裏に、あなたがタクシーに乗り込む前の、困ったような表情が浮かぶ
連絡くらい、できるでしょって言った時の、彼女の戸惑った顔
小さく呟いて、腕で目を覆う。
別に、連絡して欲しい訳じゃない
ただ、彼女が無事に家に着いたかくらいは、知りたいだけ。
…いや、それも嘘か
立ち上がってキッチンに行く。
冷蔵庫を開けて、ペットボトルの水を取り出して、キャップを捻って1口飲む。
冷たい水が喉を通って、少しだけ頭が冷える
to be continued…












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!