第4話

4!
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2025/04/14 13:03 更新
コツ、コツ、コツ…
整備された街道を軽快な足音が駆け抜ける。
手に持つ鞄を少し前後に振って、まるで主人公にでもなったみたいに。
フランス🇫🇷
♪〜♪〜!
突然だけど今のjeはとっても機嫌が良い。
何故かって?明日、あいつと念願のお茶だから!
ずっとずっと待ってたんだよ〜!
…意識するようになってから、誘えてなかったし、
やっぱりje、子供っぽいな〜。
明日、そう明日だ。今日はドイツに昼を奢る手はずとなっている。約束は守るって言ったから。
今はドイツが決めた店まで向かっている。
あ、居た居た〜。
フランス🇫🇷
やっほ〜Bonjour!
ドイツ🇩🇪
凄い二重だな。
ドイツ🇩🇪
Hallo,フランス。
フランス🇫🇷
てかさ、お店もうちょっと先じゃない?
ドイツ🇩🇪
少し喋りたかったというか…
フランス🇫🇷
へ〜
フィーリングってやつかな。
ドイツもそんな事考えたりするんだね〜。
目的1番って感じだと思ってたけど…ちょっと意外!
人数が倍になったから、当然足音も倍に。
ぴったり右側についてくるドイツ。
レンズの向こう側の瞳が期待を抱えて前を向いている。
ドイツ🇩🇪
私服…洒落てるな
ドイツ🇩🇪
凄く似合ってるぞ
フランス🇫🇷
え、ぁ、ありがと!
全く…そろそろ慣れないと…。
数日前から変にたくさん褒められる体質になっちゃったから…頑張ろ。
フランス🇫🇷
あ、あのお店?
そう言って少し先の建物を指差す。
さっきの動揺から少し手が揺れている。
ドイツ🇩🇪
ん、思ったより近かったな
フランス🇫🇷
よ〜し、今日は頑張っちゃうぞ!
ドイツ🇩🇪
会計はよろしくな
フランス🇫🇷
うぇ…わかってるよ〜
倍になった足音が早くなる。
2人とも楽しみが隠しきれていないようだ。
からん、ころん…
そこは料理店というよりはカフェみたいで。
お昼時なのに客はお洒落な外観に似合わないほど少なく、静かだ。
落ち着いた暖色でまとめられ、観葉植物の緑がより映えている。
こんな良い店舗を見逃していたなんて。
少し悔やむフランスだった。
店員
いらっしゃませ。
ドイツ🇩🇪
2人です
店員
かしこまりました。
お好きな席へどうぞ。
フランス🇫🇷
ありがとうございます、!
すた、すた、すた…
暗い色味のフローリングを踏むと軽い音が鳴った。
空いている席が多くて逆に迷ってしまいそう、
そう考えながら辺りを見回す。
あれ?ありえない。思わず二度見してしまった。
フランス🇫🇷
えっと…?
イギリス🇬🇧
ん?…
フランス🇫🇷
ぼ、Bonjour…
イギリス🇬🇧
Hello.
反射的に挨拶をしたらまさかの返答があった。
いや、それはあまり重要ではない。
問題なのはなんでここにイギリスが居るのか、だ。
フランス🇫🇷
なんでここに…
イギリス🇬🇧
外で昼食をとっても良いでしょう?
う…その通りなんだけど…そういうことじゃ…!
もう1回声を出そうとすると不意に手を引かれた。
ドイツ🇩🇪
あの席とか良いんじゃないか?
フランス🇫🇷
あ…だね、!
フランス🇫🇷
あの、ちょっとだけ…
更に手を引かれる。心なしか握られる力も強くなっている気がする。
ドイツ🇩🇪
ほら、行くぞ
フランス🇫🇷
わっ…
グイッ、なんて音が似合うように引っ張られ、もつれる足で奥の席まで誘導される。
横目で見たあいつは冷たい目をしていた。

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