コツ、コツ、コツ…
整備された街道を軽快な足音が駆け抜ける。
手に持つ鞄を少し前後に振って、まるで主人公にでもなったみたいに。
突然だけど今のjeはとっても機嫌が良い。
何故かって?明日、あいつと念願のお茶だから!
ずっとずっと待ってたんだよ〜!
…意識するようになってから、誘えてなかったし、
やっぱりje、子供っぽいな〜。
明日、そう明日だ。今日はドイツに昼を奢る手はずとなっている。約束は守るって言ったから。
今はドイツが決めた店まで向かっている。
あ、居た居た〜。
フィーリングってやつかな。
ドイツもそんな事考えたりするんだね〜。
目的1番って感じだと思ってたけど…ちょっと意外!
人数が倍になったから、当然足音も倍に。
ぴったり右側についてくるドイツ。
レンズの向こう側の瞳が期待を抱えて前を向いている。
全く…そろそろ慣れないと…。
数日前から変にたくさん褒められる体質になっちゃったから…頑張ろ。
そう言って少し先の建物を指差す。
さっきの動揺から少し手が揺れている。
倍になった足音が早くなる。
2人とも楽しみが隠しきれていないようだ。
からん、ころん…
そこは料理店というよりはカフェみたいで。
お昼時なのに客はお洒落な外観に似合わないほど少なく、静かだ。
落ち着いた暖色でまとめられ、観葉植物の緑がより映えている。
こんな良い店舗を見逃していたなんて。
少し悔やむフランスだった。
すた、すた、すた…
暗い色味のフローリングを踏むと軽い音が鳴った。
空いている席が多くて逆に迷ってしまいそう、
そう考えながら辺りを見回す。
あれ?ありえない。思わず二度見してしまった。
反射的に挨拶をしたらまさかの返答があった。
いや、それはあまり重要ではない。
問題なのはなんでここにイギリスが居るのか、だ。
う…その通りなんだけど…そういうことじゃ…!
もう1回声を出そうとすると不意に手を引かれた。
更に手を引かれる。心なしか握られる力も強くなっている気がする。
グイッ、なんて音が似合うように引っ張られ、もつれる足で奥の席まで誘導される。
横目で見たあいつは冷たい目をしていた。








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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。