とある休日の朝でたまたま目を通したテレビの特集。その瞬間茶子の口は開いたままで、手に持ったトーストが中々運ばれてこないほど固まっていた。
彼がそう思うのも無理はない。なぜならこの山は…
以前ガンマスがぐさおに告白し、フラれてしまった時と同じだからだ。
一応彼自身、ある程度は吹っ切れてはいる。が、それでも苦い経験があったことには変わりなく、無意識にあの時のことを思い出してしまった。
2人は登山道を順調に進んでいた。鳥がさえずる音と、小風に揺れる木々の葉が心を落ち着かせてくれる。
すると
ポツ
茶子の額にポちゃんと何かが落ちた。手に触れてみれば水のような冷たさと触り心地をしており、それは徐々に色んな箇所にも落ちていく。
山の天気は変わりやすいというが、あまりにも運が悪かった。茶子が小さめの休憩所を見つけたことでなんとか雨宿りすることができたのは不幸中の幸いだろうか。
本来汗ふき用だったタオルで軽く体を拭き雨が止むのを待つ。
ポツポツポツ
スマホは普通に繋がってるため使えるのだが、あえて使わない。静かに降る雨粒をゆっくりと見つめてるだけでも少し楽しくなっていた。
やり取りしてる間にコップ型の蓋にアツアツな緑茶が注がれ、湯気が立ち上る。
ピトッ
偶然2人の指が接触し、びっくりしたのか茶子はコップを落としてしまう…が
ポツポツポツ…ポツ……………
外の方に目をやれば雨が止んでおり、所々日差しが差し掛かっていた。
…………そこからは言葉が出なかった。
高所から木々がよく見えるが、それに加えて所々雨で濡れた箇所が日光を反射し、眩しいくらいの光を放っていた。そして…
奥からはとても大きい虹が伸びていた。
いつもより素晴らしいであろう絶景を楽しむ二人。しかし茶子にはその余裕がなかった。
空が晴れる。そして、2人の心も晴れていく……………。
~翌日~
2人は雨に濡れたからか仲良く風邪をひき、それぞれの自宅で寝込んでいた。授業が終わる頃にはあなたが心配して通話をしているが咳やくしゃみが耳に響く。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!