みぞれは渋々足袋ソックスを脱ぐと、つま先の親指と人差し指の間が見事に赤くなっており、皮も剥けていた。
あなたが急にしゃがみ込んだと思えば後ろに伸びてる手を招くように背中を指していた。
これは完全におぶる体勢のようだ。
これはこれで心配になってしまうと思われそうだが、今はそういう場合では無いのだ。
ギューーーー
失言をしたあなたの頬を後ろから思いっきりに引っ張る。離せば掴んだ所は赤く腫れていた。
そんな茶番を挟みつつも、1歩、また1歩、ゆっくりと足を動かす。
瞬間、みぞれの脳内に蘇るあの感覚。胸の中に感じたものに。『落ち着き』が。
そう思えばいつの間にかみぞれの顔は耳も含めて赤く染っていた。
そしてみぞれはそそくさと自宅へ戻っていった。
その後はしばらく玄関の向こうでへたり込むみぞれであった。
…とある日のこと。
その女性は風に煽られツインテールを揺らしていた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。