東京都立呪術高等専門学校 。
初夏の陽光が 、 訓練場の砂埃をキラキラと
琥珀色に染め上げている 。
そこでは 、 物理法則を置き去りにしたような
苛烈な体術の応酬が繰り広げられていた 。
五条悟は 、 三人の猛攻を
蝶をあしらうかのような軽やかさで捌き 、
不敵な笑みを浮かべる 。
その立ち姿は 、 周囲の空間から
切り離されたかのように超然としていた 。
五条が稽古の中断を告げたその時 、
静謐な学舎の空気を切り裂くように
鋭い警報音が鳴り響いた 。
‘’ ヴーー ヴーーー !! ”
五条はわずかに眉を寄せ 、
蒼い瞳を正門の方角へ向ける 。
五条の表情に 、 氷のような鋭利さが宿る 。
最強の呪術師として 、 彼は生徒たちを背に
警戒を解かぬまま正門へと歩を進めた 。
それに続くように三人も後を追う 。
しかし 、 そこにいたのは
血に飢えた呪詛師ではなく 、
向日葵のような笑顔を見せる女だった 。
あなたの下の名前は周囲の張り詰めた空気など露知らず 、
無邪気に手を振る 。
その手には 、 不釣り合いなほど生活感の溢れる
風呂敷包みが握られている 。
重力の枷を外したかのような速度で 、
五条はあなたの下の名前へと駆け寄り 、
全力でその細い肩を抱きしめた 。
それは呪いにも似た深い愛の体現だった 。
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎⇝ ♡ 10











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。