ウィンウィンside
1週間、あなたと悩んで決めた結果。
泣いちゃいけないのに、きっと皆悲しむのにっ…
俺が泣いてどうすんの
ヘチャンとマークは驚いたような顔をして俺の話を聞いてる。
ヒョンたちは冷静で、まるで最初から分かっていたかのような冷静さだった。
どうせなら怒ってよ、
「出ていけ」
「帰ってくるな」
って言ってよ
俺の居場所は“メンバーにとても愛されてるあまり目立たない人”ですか?
“いつもパートがない人”ですか?
俺にだって“メインダンサー”って居場所があるはずなのにっ…
これは、別に俺の事なんか気にしてないから「いいよ」っていう返事なんだろうな、、
どうせ…
テヨンヒョンは苦しそうに笑ってた。
きっと、リーダーである以上大きな責任を感じてるんだろう。
それとも俺の居場所だった同じ“メインダンサー”だから?
あんな、苦しそうな笑い顔を見て何も声をかけずには居られないでしょ
俺だって離れたくないよ、でも…ちょっとでも活躍してみたかったんだ。
脇役じゃないグループで。
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夜、部屋に戻った時だった。
いつものふざけたようなユタヒョンじゃなかった。
本気で寂しそうな顔
多分、これがみんなの本音。
外国人だからこその苦労。
韓国と仲の悪い日本と中国だからこその差別。
それを全部わかってくれるのは本当にこのグループではユタヒョンだけだよ、
こんな事ユタヒョンに言うのは嫌味でしかない。なのに言葉がスラスラ出てくる。
、
ユタヒョンは焦って部屋を出ていった。
多分俺を怒らせたと思ってるんだろうな。
ポロッ……
違うんだよユタヒョン。
俺今、泣いてる。
ユタヒョンと離れるのが寂しくて、
素直にユタヒョンの言葉を受け取れないのが嫌で、
ユタヒョン。
これ以上俺に固執しないで、ちゃんと自分の道に進んでね。
きっと俺が居なくてもユタヒョンは有名になって韓国でも日本でも世界でも人気のアイドルになれるんだよ。
脇役じゃなくて主役の人だから。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。