拓がいない店内はすごく静か。
今までここに行く時は絶対一緒に来ていたはずだったのよ
でも今日は拓があんまり素っ気なかったから拗ねたのよ私。
いつものってなんだと聞き返されて更に拗ねる
まぁそんな事で怒るわけが無いわ それより拓に怒ってるの
ブラックコーヒーを一気に飲み干す。
苦くはないけど熱い。
拓の前だからっていつも猫被ってたときより少し乱暴に
カウンターに空のカップを返す。
「ねぇマスター」と呼ぶつもりだった。その時だった。
地面が大きく揺れて
座っていた椅子が倒れて
私は地面に落とされて
マスターの後ろにあった棚が倒れて
マスターも巻き込まれて
天井から電球が降ってきて破片は
地面とくっついて動けない私の体に突き刺さって
古かった建物そのものも 崩れて私達下敷きになったの
私がいつも甘い甘いカフェラテを飲んでいる店に
拓は来てくれるかしら
いつもよりちょっと頬の染まった私を見つけて
抱えて
2人しかいない所に連れてってくれるかしら
...って 拓はリアリストだからそんなことしないわよね












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!