───某日、事務所
今日は冬野さんとの打ち合わせ日、
先日の件を受ける旨を伝えなければならない。
そして、伝えるべき点はもう1つ、
あの日3人で話し合った時に打ち明けると決意した…。
………
確かに、冬野さんなら口外せずサポートしてくれそうな気もするが…、
やっぱりそれには関係値が必要だし、勇気がいる。
………
正直にありのままを冬野さんに伝える、
簡単なことではないが、葛葉との今後のためにもここが正念場だ。
私は決意を胸にA室と書かれた扉を開けた。
会議が始まって10分、
今の私の現状についての説明をした。
最中の冬野さんは静かに私の話に耳を傾け、自身の中で噛み砕いてる様子だった。
思いのほかスっと話が進んでしまって思考が停止する、
アンバサダーという大任とタレントの秘密、
この2つを天秤に掛けた上で答えを出すのは至難。
少なくとも今すぐに解決する問題だとは思わなかったのに…。
彼女の真っ直ぐな目が私を捉える。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!