第31話

episode 29
799
2025/08/16 05:27 更新

⚠️暴力表現・嘔吐表現あり
















痛い。全身が痛い。


でも痛いのは身体だけじゃない。
オイ。さっさと着替えろ。
部屋が水浸しになるだろ
あなた
…はい、すみません。



なんだかもう、疲れてしまった。





何かに期待するのももうやめた。


















ガチャッ
あ゛ーー。疲れた。
ただいま。



母が仕事から帰ってきた。



疲れ切っていた神経がまた張り巡らされるのを感じた。
オウ。早く飯作ってくれよ。
わかってるわよ。…って
なんでこんなに濡れてるわけ?
あなた
ビクッ




母が私を冷めた目付きで睨んできた。



父は何も言わずに黙っている。
耳が聞こえないの?
早く説明しなさいよ。
あなた
っあ。ごめんなさ、私が、私のせいです、。
チッ。ほんとにイラつかせてくれるわ。



悪態を着いた母は


いらいらとした足取りでキッチンへと向かった。

















ほら、ご飯。できたわよ。
オウ。



母と父は向かいあわせで椅子に座る。




私は床へ正座する。







いつもの事だ。忘れてただけで、もう慣れた。
ほら。アンタの分。


ベシャッ と

残飯のようなご飯を床へと落とされる。


もちろんお皿など無い。お箸もない。
残さず食べなさいよ。
食べられる物があるだけ有難いと思いなさい。
あなた
……はい。ありがとうございます。



床に這いつくばって



落ちたご飯を犬のように



口でそのまま食べる。
犬みたいね。
ちゃんと食べなさい。



水で濡れた床。


その上に広がるご飯。





こんな美味しくないものでも食べなければ


命に関わるから。













あなた
(…あぁ。)
あなた
(…みんなでまた、楽しくご飯たべたいなぁ。)



いつも思い出すのは




思い出に浮かんでくるのは




ワイミーズハウスの楽しかった思い出。







あなた
(もう、戻れないんだな。)
あなた
(元々私はひとりぼっちだったし。)





そんなことを思いながら



床に広がるご飯を無理やり胃に詰め込む。
あなた
(……うっ)
あなた
(あ、やばい、これ、)










あなた
(吐く。)
あなた
うっ、おぇ。



散々殴られた後に急に食べてしまったからか



胃がびっくりして嘔吐してしまった。





あなた
(やばい、ど、どうしよう。)
吐いたことに焦っているのではない。






ここでは食べ物を残すことは許されない。

母は無駄にそこら辺に厳しいのだ。



それなのに吐いてしまった。戻してしまった。







仕事帰りで機嫌の悪い母に見られてしまった。
…ねえ、何してるの?
あなた
あ、ごめ、ごめんなさ
謝罪なんて聞いてないのよ。
何してるかって聞いたの。
こんなに汚して、何がしたいの?


恐怖で身体が震える。



本能的に拒否反応を起こしている。
あなた
い、いや、ごめんなさ…おぇ。


恐怖で強い吐き気を催す。



耐えられずにもう一度ベチャッ と吐いてしまった。














それが母に掛かってしまった。

あなた
あ…あ、ごめ、ごめんなさい。
拭きます、すぐ拭きますから。


ゴンッ



言葉が発せられるより先に


母の手が私の顔へと伸びた。
あなた
うっ、あ゛



母の顔が見れない。



でもとても怒っているのはわかる。





本能が逃げろと言っている。


アンタ、巫山戯てるの?

ゴンッ
あなた
っあ゛


私をバカにしてるの?

ガンッ
あなた
うっ、あ゛、やめ、



何度言わせれば気が済むの?

ドカッ
あなた
あ゛ぅ…ゲホッ
あなた
ご、ごめんなさ、



母の顔を下から見上げる。




もう我慢の限界とも言いたそうな顔だった。










とっくの昔に我慢の限界だったのは


こっちなのに。

…あんた、もういいわ。
あなた
…え。


そういった母は




自身の手を私の首に絡めて




ギリィと力を込めた。

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