⚠️暴力表現・嘔吐表現あり
痛い。全身が痛い。
でも痛いのは身体だけじゃない。
なんだかもう、疲れてしまった。
何かに期待するのももうやめた。
ガチャッ
母が仕事から帰ってきた。
疲れ切っていた神経がまた張り巡らされるのを感じた。
母が私を冷めた目付きで睨んできた。
父は何も言わずに黙っている。
悪態を着いた母は
いらいらとした足取りでキッチンへと向かった。
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母と父は向かいあわせで椅子に座る。
私は床へ正座する。
いつもの事だ。忘れてただけで、もう慣れた。
ベシャッ と
残飯のようなご飯を床へと落とされる。
もちろんお皿など無い。お箸もない。
床に這いつくばって
落ちたご飯を犬のように
口でそのまま食べる。
水で濡れた床。
その上に広がるご飯。
こんな美味しくないものでも食べなければ
命に関わるから。
いつも思い出すのは
思い出に浮かんでくるのは
ワイミーズハウスの楽しかった思い出。
そんなことを思いながら
床に広がるご飯を無理やり胃に詰め込む。
散々殴られた後に急に食べてしまったからか
胃がびっくりして嘔吐してしまった。
吐いたことに焦っているのではない。
ここでは食べ物を残すことは許されない。
母は無駄にそこら辺に厳しいのだ。
それなのに吐いてしまった。戻してしまった。
仕事帰りで機嫌の悪い母に見られてしまった。
恐怖で身体が震える。
本能的に拒否反応を起こしている。
恐怖で強い吐き気を催す。
耐えられずにもう一度ベチャッ と吐いてしまった。
それが母に掛かってしまった。
ゴンッ
言葉が発せられるより先に
母の手が私の顔へと伸びた。
母の顔が見れない。
でもとても怒っているのはわかる。
本能が逃げろと言っている。
ゴンッ
ガンッ
ドカッ
母の顔を下から見上げる。
もう我慢の限界とも言いたそうな顔だった。
とっくの昔に我慢の限界だったのは
こっちなのに。
そういった母は
自身の手を私の首に絡めて
ギリィと力を込めた。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!