最初は
治くんが既読無視したことを
不思議に思うくらいやった
でも段々と日が経つにつれて
私もなんとなく話せんくなっていった
治くんからそういう雰囲気が出とる気がしたから
そんな今
このタイミングで委員会があるらしい
『・・・タイミングわる』
『どしたん?』
『んーん、別に』
今日の放課後は委員会があるんだと
考えただけでもため息が出る
普段なら楽しい委員会
待ち遠しいくらいやのに
治くんとたくさん話せるのに
億劫でしょうがない
『ばいばい〜!委員会頑張ってな〜!』
『うん、ありがと』
帰りのHRが終わり
とうとうその時が来てしまった
足取りが重たい
集合場所の教室にはまだ誰も座っとらんかった
『ここらへんでええかな』
窓側の一番後ろの席に座った
今日はなんだかやる気も出んし
こっそり寝てやろうかな
眠たくなって顔を伏せる
しばらくしたら
騒がしくなって
人が集まりだしたことに気づいた
『・・・もうそろそろ時間なんかなぁ・・・』
ゆっくり身体を起こして
教室の時計を見ようとしたら
隣の机に誰かが座った
『隣ええ?』
銀髪の彼は私にそう言った
『え・・・えよ』
話すのが久しぶりで
なんだかすごく緊張した
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。