地を這いながら
先の方で倒れてる、禰󠄀豆子の方へと向かう。
そんな中で
炭治郎の視界に、糸が見えた。
その糸は炭治郎に向かうと共に拘束した。
近くにボロボロの状態で
梨花が炭治郎を見下ろして立っていた。
炭治郎を拘束している糸を
きつく縛るようにする梨花。
唸り声を上げる炭治郎だったが
それは途中で止まった。
強い糸が緩くなったと同時に
梨花の体が大きく傾いた。
その時に炭治郎の鼻に入り込む異臭と寒気。
傾いて倒れそうになった梨花を
糸のようなもので支えられた。
頸の無い状態の累が
ゆっくりと炭治郎と梨花の方へと
歩み寄ってくる。
片方の腕には、何かを握っているようだ。
頸を繋いでいた糸を引き
そのままくっつけた。
そして糸で支えてる梨花を抱えると
近くの木陰へと下ろしては
炭治郎に向かって、歩み始めた。
徐々に怒りへと表情を変えていく。
赤い糸が累の手から現れる。
その時に感じる殺気。
苦しみながらも、炭治郎は
前方で眠っている禰󠄀豆子の方へと
地を這い続けた。
円状の赤い糸が
炭治郎を包むように迫って来る。
反撃をしようとしたが
赤い糸は身動きが出来ていない
炭治郎の手や頭に触れると少し刻んだ。
ビシャッ、と血が溢れる中
何者かが炭治郎を刻む
赤い糸を水で断ち斬った。
赤い糸が渦のように
広範囲へと広がりつつ
男性と炭治郎の方へと向かった。
赤い糸が男性の間合いに入った途端
累の糸がバラけた。
そんな時、梨花がゆっくりと瞼を開けた。
瞬きをした累。
すると梨花の叫び声が聴こえた。
気が付けば、累の頸が体からズレ落ちていた。
冨岡はそのまま歩き
木陰で座っている、梨花の方へと向かった。
そして冨岡が目の前で止まると
刀を振り上げた。
微笑んで目を閉じる梨花。
その時・・・
しかし冨岡の腕は止まらなかった。
梨花へと刀を振り下ろそうとしたのだ。
消滅し続ける累の代わりに
炭治郎が刀をなんとか投げる事に成功。
梨花を斬るのを阻止させた。
冨岡は炭治郎の方へと
顔を向けた。
いや、睨んだ。
炭治郎の顔を見て
そして禰󠄀豆子を見て
過去を思い出した冨岡。
そんな人間の背後を通り・・・
梨花が累の手を握った。
口元も消滅して
話せなかった累は
なんとか手を動かす事は出来た。
頸の無い状態・・・
今回は完全に弱りきっている体で
手に力を入れるように
優しく握られた。
しかしその力はやわかった。
ポロポロと涙を流す梨花。
やがて累は完全に塵となって消滅した。
涙を押し殺すように泣く梨花を
炭治郎は悲しんでいた。
そしてグッと感情を堪え・・・
禰󠄀豆子を庇っているようにしている
炭治郎を見る梨花。
炭治郎は、最後の力を振り絞って
梨花に手を伸ばしていた。
何かを感じとったのか・・・
梨花は炭治郎へと近付いた。
傍で座り込み、炭治郎の手に触れた。
攻撃はしてこなかった。
梨花はギュッと
炭治郎の手を握ると
おでこへと持っていった。
「ごめんな」と
切ないまま謝る炭治郎は
梨花の手から離れると
そのまま彼女の頭部へと添えた。
優しい手に包まれる感覚の梨花は
再び涙を流した。
そんな時、走ってくるような音が
三人にも聴こえた。
炭治郎はその時に殺気を感じ
梨花の頭部に手を添えたまま
引き寄せた。
炭治郎がその行動をした後
冨岡が現れ
三人を護るようにして
刀を振った。
走って来た人物との刀が当たり
その人物は空を舞って
反対側へと着く。
炭治郎は起き上がると共に
禰󠄀豆子を抱え、梨花に目で合図した。
立ち上がる梨花。
炭治郎は禰󠄀豆子を抱えたまま
梨花に軽く体当たりのようなものをして
先へと行かせた。
梨花は炭治郎の言う事を訊き
山の中を走る。
炭治郎も走っては
冨岡と胡蝶の前から姿を消した。
山の中を走り続け
途中で禰󠄀豆子が
入っていた箱を背負って
梨花と共に山を駆け抜ける。
体中の痛みを我慢しながら
梨花がついてこれているか、を
確認するように
見てきたりしている。
その途中で、禰󠄀豆子が目を開けた。
木々をつたって
炭治郎の背中を蹴って
降りて来る謎の少女。
炭治郎は倒れ
禰󠄀豆子が少し前方へ飛ばされた。
梨花が禰󠄀豆子に駆け寄った時
炭治郎の視界に、刀を持った少女がうつる。
羽織に隠れていた「鬼殺隊」の証が
入り込み・・・
禰󠄀豆子と梨花を護る為に
羽織の先端を引っ張る。
謎の少女は炭治郎の背中に尻餅付いた。
禰󠄀豆子は梨花の手を引くと走った。
少女・・・カナヲは叫び続けている
炭治郎に踵落とし。
彼はそのまま気を失った。
そして逃げる禰󠄀豆子と梨花を追いかけた。
距離が縮み、禰󠄀豆子は梨花に合図をした。
カナヲからの攻撃を
二人で協力して避け
最終的にカナヲは禰󠄀豆子を中心に
刀を振るが・・・
数分後
疲れたのかして
禰󠄀豆子は木の前に座り込んだ。
じりじりと近付くカナヲに
禰󠄀豆子は警戒もしていない。
不思議に思う梨花は
禰󠄀豆子の前に立つと、手を出した。
小柄になったまま
禰󠄀豆子が梨花に止めに入るが
カナヲも足を止める事は無かった。
やがて梨花に近付くと
刀を振り下ろそうとした。
そんな時だった。
鴉の声が聞こえた。
その内容は
「炭治郎と禰󠄀豆子を屋敷に連れて帰る」
という事だった。
その伝令が何回か訊いた後
カナヲは刀を鞘に納め
禰󠄀豆子に顔を向けた。
禰󠄀豆子は静かに頷いた。
しかしその直後だった。
その後
炭治郎と禰󠄀豆子は
柱合会議にて、柱達と会議
お館様との会話にて
炭治郎と禰󠄀豆子を引き受けた。
そしてそこで
「人を食べない鬼がまだ居る」という事を説明
それは胡蝶しのぶから言ったのだ。
今は山に残ってるようだが
会議が終われば迎えに行くとの事。
胡蝶が考えたのは
「彼女も人を食べない」から
「暫くの間、蝶屋敷に居てもらおう」と
反対する者も居たが
お館様が許可をした事で
誰も口出ししなかった。
その日の夜の蝶屋敷。
客室のような所で
梨花は“三人の着物”を膝に乗せては
窓の外に映る夜空を、見上げていた。
ガラッ
扉を開けて
挨拶のようなものをした後
禰󠄀豆子が梨花に飛び付いた。
どうすればいいのか分からず
とりあえず、抱きしめ返す梨花。
その直後だった。
禰󠄀豆子とは違う、もう一つの足音と
人間の臭いがした。
ドクン
翌日の夜。
累は山へと帰宅してきた。
目の前には
累を心配そうに見つめる梨花の姿。
しかし累には
“その時、梨花が何を思っている”のか
分かっていたようで・・・
俯く梨花の頭部に
優しい手が添えられた。
炭治郎は梨花を見つめた後
手を出しては
彼女の頭部に添え、撫でた。
優しく梨花を腕の中へ包み込む炭治郎。
梨花は静かに目を閉じると
透明の涙を流した。
声には出さずに、静かに泣いた。




































































編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。