海人side
結局紫耀のいるところまで新幹線に乗って来てしまった
紫耀なんて言うかな、…
怒るかな…、
でも好きな人に会うためなら夜遅くだろうが会いたいって思うことくらい普通じゃない?
ギュゥゥゥ
この人、絶対紫耀のこと好きじゃん、…
それに紫耀、俺のこと友達って言ってたし
そりゃそうか…
彼女が男なんて言いづらいよね、…
せっかく会えたのに…
ポロッ
チュッ
いつか、
いつかっていつ?
頭の中ではその言葉がぐるぐる回っているのに
口からは出てこない
いつ帰ってくるのかが分かっても分からなくてもどっちにしろ辛いんだもん…、
それなら別に知らなくていいや、…
廉
「 どしたん、紫耀おらんくて寂しいん? 」
廉
「 それは別にええけど、 」
俺はまた新幹線に乗って自分の家へと帰った
The next day
チュッ
…紫耀とこうできてたらな、
紫耀が隣にいればできたのに、
紫耀が俺に気がないなら、
廉に溺れてしまうのも悪くはないのかなとか思ったりしてしまう自分がいる
next.
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!