〔sha視点〕
やっば!!
寝坊してもうた!
今日大先生に呼ばれとんのに!
ん?待てよ?
遅刻しとるって言うことは今から急いでも意味無くね?
と、いうことは?
ゆっくり行ってもええやん((((
ん?
あれやばくね?
男が女の子ナンパしとるんやけど…
しかも女の子困っとるし
男が女の子の腕を引っ張った瞬間、俺は走ってそれを止めた
俺は煽りながら男の腕を力強く掴んだ
男は表情を歪めながら俺の手を振り払うと、走ってどこかに行ってしまった
俺は後ろを振り返って被害者である女の子に話しかけた
すると彼女はずっと握りしめていたスマホにカタカタと文字を打ち始めた
彼女はスマホの画面を俺に向けた
「助けてくれてありがとうございます」
俺は彼女の耳を見た
耳には補聴器が付けられていた
ここで俺はこの子は耳が聞こえないと理解した
俺はリュックの中からスマホを取り出し、文字を打った
「怪我はありませんか?」
怪我がないなら安心だな…
俺はペコッと頭を下げ後ろを向き、歩こうとした
その時、彼女が俺の服の裾を掴んだ
驚いて彼女の方を見ると、俺にスマホの画面を見せていた
「名前、教えてください」
彼女は慌てて文字を消した
それを俺は無意識の内に止めていた
何故かは分からない
ただ、彼女のことを知りたいと思った
俺は自分のL○NEのQRコードを見せた
彼女は驚いた表情で見つめている
流石に初対面でL○NEはやりすぎたか…
そう思っているとスマホが鳴った
大先生かな…と思いL○NEを開く
すると……
"あなたさんがあなたを追加しました"
«L○NE»
俺は彼女の顔を見た
少し恥ずかしそうにスマホで顔を隠していた
は?何この子可愛すぎんか?((((
……って何考えてんねん俺
«L○NE»
スマホを握りしめてふわりと微笑む愛らしい彼女の顔を見ながら俺は呟いた
案の定、返事は無い
それを知っていながらも少し悲しくなるのは何故だろうか────
聞こえない君と聞こえる俺─𝑠𝑡𝑎𝑟𝑡












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。