長期任務、2ヶ月経過。
俺は1人で包帯をとりかえながら、深いため息をついた。
俺には、全身に白い痣がある。髪の毛も、一部白い。
これは、とある病気の後遺症だ。
体にこびりついたこの痣が、あの日々の記憶を思い出させる。
俺は昔、珀鉛病という病気だった。
そのせいで迫害された。
病気ならもう治ったが。
…病気は完治したのにも関わらず、俺の体には未だに白い痣がある。髪もそうだ。
これが何を意味するのか、わかるだろうか。
白い痣が消えなかったため、迫害は今日まで続き、今も俺の心を蝕み、呪い続けているのだ。
ごくたまに、発作に襲われることもある。
珀鉛病は、今も俺を縛り続けているのだ。
せっかくコラさんが、命をかけて俺にオペオペの実を食べさせてくれたのに。
…俺は珀鉛病だったということがバレないよう、全身に包帯を巻き、白い痣を隠している、というわけだ。
髪の毛は帽子で隠している。
俺は一生こうして生きていくのだろうか。
あぁ、いや、もうやめよう。
考えたところで、結局真実は変わらない。
自分で自分を診ることができたなら、なんとかなるのかもしれないが。
…もうそれさえも、怖い。
どうしようもない。
長期任務、最後の日。
俺はこの組織を、殲滅しなければいけない。
うるさいなぁ。
そんなことを思いながらも、俺はただただ敵を斬る。
その時、背後から__
なんだ、まだ生きてたのか。
男の持ったナイフが、俺の腕をかすった。
…パサッ
切られた包帯が、地面に落ちる。
クソッ!見られたッ!
例え今から死ぬ相手だろうと、見せたくなかったのに!!
俺の腕にある、白い痣が露わになる。
殺す!コイツら必ず殺す!!
…帰る、か。
俺はビブルカードを辿りながら心を整理する。
辛くない、辛くなんてない…
もう、これ以上この世界に期待しては、心が壊れてしまう。
でも。
それでも。
俺のことを、正面から受け止めてくれる人はいないのだろうか?
俺は後ろを振り向いたが、誰もいない。
幻聴か…?
俺は耳を塞ぐ。
それでも謎の声は消えない。
俺は逃げるように走り出した。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。