第7話

甘々 6
247
2024/05/01 02:41
夕暮れ時。僕は四季凪先輩と一緒にとあるカフェへと向かっていた。
実はあの後語りすぎてしまい、こんな時間帯になってしまっていた。
四季凪先輩は、とあるカフェとしか教えてくれなかった。着いた時のお楽しみだとも言っていた。

…まあ、薄々勘づいてはいるが。
akr
着きましたよ、ここです
あなた
……ここって
akr
ふふ、来てみたかったんじゃありませんか?
立ち止まったのは、見覚えのあるカフェ。そこは、zeffiroだった。
akr
おや、どうしたんですか?
ぼーっとしていたところで声をかけられる。
あなた
っあ、いや、その…
akr
入りましょう?お腹、空いたでしょ
あなた
あ、はい…
どうしよう、僕……生きてられるかな
カランと来店を知らせる鈴の音が鳴った。
こんな時間帯だからだろうか、人は見当たらなかった。
…ん?と言うか……プレートにcloseって書いてなかったっけ?
??
あ、すみませ〜ん!今日はもう店閉まいで……って、アキラ!
奥から声がし、顔を出してきた人を見て目を見開き固まった。
あなた
ッ……!!
akr
すみません、本当はもう少し早めに来たかったんですか……
??
ええよええよ〜!……って、その子は?
四季凪先輩の後ろ(正確に言えば、コートの中)に隠れていたのを見られた。目が合わせられない。絶対に今過去一顔が赤いに決まっている。
akr
ああ、今回の新人さんですよ。
……こら、隠れてないで出てきないさい?
あなた
む、無理デス……ッ///
??
……なあ、
あなた
ひゃい?!
??
えと……あなたの名字あなた、ですよね?
あなた
あぅ、はいぃ……//
やばい、名前覚えられてる?!嬉しいんだが!!?と心の中が荒れていた。
hbr
はじめまして!俺、渡会雲雀って言います!!
顔を少し覗かせたタイミングで宝石のシトリンの様な瞳と目が合う。
hbr
わ、あなたの名字さんってきれーな、してますね!!
ニパッと言う効果音がつきそうなほどの眩しい笑顔を向けられる。やばい、浄化されそう……ッ
hbr
ん〜……あ、タンザナイトみたいに綺麗ですね!
あ〜でも、一度見たら忘れられない瞳してっし……アウナイトかも?
あなた
ッ……!
自分の瞳を、宝石で喩えられたのなんて初めてだった。
どしようもなく、心の感情が絡みつくのがわかる。
どうしよう、心臓の音が……うるさい。外に聞こえてないか不安になってしまうくらい。
hbr
……ね、ちゃんと顔…見せてもらえませんか?
あなた
……
優しく囁く様に尋ねられる。何だかそれがくすぐったっくって……けど、居心地が良かった。
あなた
(ずっと、この感覚に浸ってたいな……って)
hbr
……!ありがとう、姿見せてくれて
ふわりと微笑まれる。
ああ、僕はそんなあなただから……好きになってしまったのかも。
そう思ってしまったから、もう自分じゃ、止めることができなかった。
hbr
……!
手を、とってしまった。
hbr
どうかしたの?
あなたが、そんなにも優しすぎるから。
あなた
あの……ッ
自由なあなたに恋焦がれてしまったから。
あなた
渡会、先輩ッ
あなたの、いちばんになりたいと……そう願ってしまったから。
あなた
……好きですッ、
神様、傲慢な僕を……許してはくれませんか?

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