第2話

テサン/一目惚れ
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2025/11/10 13:22 更新


放課後、友だちに誘われて行った公開収録。
人混みの向こうに立つ、ライトを浴びた一人の青年。



──その瞬間、世界が止まった。




黒髪をふわりとかき上げる仕草。
ステージ上のテサンが笑うたび、胸の奥がきゅっと鳴った。



「ボイネクのテサンです!」
マイクを通して響く低い声。
拍手の中、私は息をするのも忘れてた。




カメラに手を振る彼と、一瞬だけ視線がぶつかった。
たぶん偶然。
でも、その“偶然”だけで心が震えた。





“また会いたい”





──そう思ったのは初めてだった。







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