第10話

エピローグ:2人の目的は次元を超えて
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2026/04/01 07:16 更新
数日後。起きてもフィシの姿が見えないので、フィシの作業部屋へ行ってみた。
アロ
アロ
オハヨー……曲作ってルノ?
フィシ
フィシ
……うん!
フィシ
フィシ
ちょうど伴奏が出来た……から……聴いてみる……?
アロ
アロ
モチロン聴クヨォ!
フィシが再生ボタンを押す。流れてきたのはーー
声が出せなくなったあの日、夢の中で聴いたことのある曲だった。
フィシ
フィシ
歌って……ほしい
アロ
アロ
イイけど……上手く歌えナイカモ……
フィシ
フィシ
いいよ。歌詞書くね
そう言うとメモを取り出し、可愛らしい文字で書きはじめた。
アロ
アロ
ナルホド……せっかくダシ、フィシの言語で歌ってミヨウカナァ……?
フィシ
フィシ
いいですね……!……応援してます!
フィシ
フィシ
はい、これが……メロディラインです!
アロ
アロ
助かるヨォ!
ボクは翻訳機に歌詞を入力し、何度も再生して発音をつかむ。
かなり難解な発音だったが、繰り返すごとに少しずつ特徴をつかんできた。
数時間してなんとかつかみきると、フィシがマイクを用意してくれた。
アロ
アロ
ジャ、ジャア……!
前奏が終わり、思いっきり息を吸う。
アロ
アロ
ーー♪
何回も収録しなおすのを覚悟していたが、案外あっさりと終わってしまった。
フィシ
フィシ
よし……!では、ミックスするので明日ぐらいに出来るかと!
アロ
アロ
ハーイ!
次の日。つい遅くまで寝てしまい、フィシに起こされてようやく起きた。
フィシ
フィシ
曲……出来ました……!!
アロ
アロ
オォ!聴かセテ、聴かセテ!!
フィシ
フィシ
あ、せっかくなのでアロさんが寝ている間にCDに焼いてみました!
アロ
アロ
本格的ダネェ⁈
フィシ
フィシ
まあ……曲名はマジックでパパッと……書いたものだけど……
CDには「ラストソング/NEICHEL feat.マホロア」と書かれていた。
フィシが持ってきたCDプレイヤーに入れ、再生する。
その途端。
視界が白に包まれる。
アロ
アロ
ッ……⁈
フィシ
フィシ
マホッ……!
目覚めると、ボクはCDとCDプレイヤーを抱えて、中世的な街並みに転がっていた。
「ボク」
……ドコ……ココ……?フィシは……?
どうやら、贖罪は終わったようだ。
「ボク」
ア、コノCD聴けてナイナ……
そう思い立ち、CDを入れる。
すると、プレイヤーから彼女……フィシの歌声が聴こえてきた。
フィシは最近喋れるようにはなってきたが、ところどころ止まってしまうので歌えはしないはずだ、多分。
だが、このCDに記録された歌声には言葉のつっかえもない。
「ボク」
不思議ダナァ……ソモソモ、フィシとの生活のキッカケも不思議ダケド……
あのトンネルで聴いた歌声よりも、ショッピングモールで聴いた歌声よりも。ずっと伸びやかで、自由な歌声だった。
唐突に、アロさん……マホロアは消えてしまった。
これからは、1人で歩むことになるのだ。
フィシ
フィシ
……悲しいな……あれ、これは?
視界の端に見慣れないものがあった。見ると、遊園地のチケットのようだった。
だが、割と色々な遊園地に行ってきた自信のある私でも見慣れないチケットだった。
また、見慣れない……いや、どこかで見たことのある文字が書かれていた。
フィシ
フィシ
……あ、これ、マホロアが使ってた……
翻訳機で文字を読みとってみた。設定言語はもちろん、あの人が使っていた言語。
アタリだった。
フィシ
フィシ
……というか……なんでここに……?
そう思って手に取ってみると、周りに風が起こる。
フィシ
フィシ
チケット……飛ばされちゃう……!!
なんとかつかんで飛ばさないようにし、ついに風が止んだ。目を開けると、そこにはーー
遊園地が広がっていた。
それも、夢で見た遊園地。
フィシ
フィシ
……あ!
「ボク」
フィシ……!
また会えたのが嬉しくって、無事夢が叶ったのが嬉しくって。
私たちは、ハグをした。
こうして、私たちは、ボクたちは。
次元も時空も超えて、それぞれの目的を叶えたのである。

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