第16話

12話 行けるかじゃなくて
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2026/07/12 07:30 更新
過去の記憶から戻る  

音寧は病室のベッドの上で、ゆっくり目を開けた

窓の外には、いつもの景色

制服を着た生徒たちが歩いている

昔の自分なら 

ただ悔しくて泣いていた

「なんで私は行けないの」 

そう思っていた

でも今は違う
春歌音寧
……行けるようになったら
音寧は小さく呟く
春歌音寧
どうやって行こう
隣で葵が驚いたように見る
春歌葵
どうしたの?
音寧は少し笑った
春歌音寧
前はさ
春歌音寧
どうしたら学校に行けるんだろうって思ってた
葵は静かに聞いている
春歌音寧
でも今は違う
春歌音寧
どうしたら、学校で無理せず過ごせるか考えてる
その言葉を聞いて、葵は少し微笑む
春歌葵
成長したね
音寧は照れくさそうに笑う

もちろん不安はある

朝起きられるかな

授業についていけるかな

みんなについていけるかな

体育はどうしよう 

でも

もう「無理だから終わり」じゃない

先生と相談する

学校と予定を立てる

体調を見ながら少しずつ戻る

“戻る方法”を探す

それが今の音寧だった

窓の外を見る

そこには、ずっと憧れていた場所がある
春歌音寧
ママ
春歌葵
うん?
春歌音寧
私、学校に戻りたい
昔と同じ言葉  

でも意味は違った

昔は、

「行けないのが苦しい」

だった

今は、

「行くために準備したい」

だった

葵は優しく笑う
春歌葵
うん。一緒に考えよう
音寧も頷く 

もう、ただ待っているだけじゃない

教室へ続く道を、自分で少しずつ作っていく

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