深澤は一瞬驚いたように目を見開いた。
低く、でもはっきりとした声。
深澤は佐久間の肩を強く掴む。
佐久間の目から、涙が零れ落ちた。
深澤はぎゅっと佐久間を抱きしめる。
その言葉に、胸の奥が熱くなり、堪えていたものが溢れ出した。
深澤が呟き、佐久間の背中を強く撫でる。
そして
涙で濡れた頬を片手で包み、ふっと顔を覗き込んだ。
佐久間の心臓が跳ねた。
次の瞬間、唇を奪われた。
触れるだけじゃない。
吐息が絡むほど深く、迷いもなく。
涙の味が混じる。
苦しいくらい近くて、でも温かくて。
佐久間は驚いて抵抗しようとしたが、深澤の腕に締めつけられて逃げられない。
涙の味と、熱い息と、触れる舌先に全身が痺れる。
声が漏れた瞬間、さらに深く塞がれる。
息ができないくらい長く、強く、何度も。
濡れた唇を離したあとも、深澤は佐久間の頬を撫でながら、喉や耳に唇を滑らせた。
涙と熱に溺れて言葉にならない。
深澤は佐久間の手を絡め取って、強く握った。
もう一度、深く長い口づけ。
佐久間は涙の中で笑った。
佐久間はその腕の中で、初めて心から安堵した。
隣にいる理由が、こんなにも確かだと知ったから。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!