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第3話

守れなかった
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2025/06/02 13:08 更新
たまにはコクーン本来の戦争の背景も取り入れた話もかいてみますね。

サンが日本兵に襲われちゃったところを自分なりに書きかえてみました!

(マユサンです)


○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・




(サン視点)
倉庫の扉が閉まる音がした。


振り返ると、入口に立っていたのは軍服の男だった。見覚えはない。でも、その目に浮かぶ光だけで、何をしようとしているのかは理解できてしまった。

サン「待って、やめ──」

声が出る前に、肩をつかまれて背中が冷たい床に押し倒される。

手首をつかまれ、自由が奪われていく。
頭のなかが真っ白になって、身体の奥から冷たい悲鳴が込みあげた。

...誰か、誰か、来て...

サン「お願い、やめて……っ!」

それでも男の息は近く、
制服が引き裂かれる音だけがはっきりと耳に響いた。

誰かが、助けに来てくれるかもしれない。


でも、時間は無情で、声にならない叫びは、闇に吸い込まれていった。


意識が、薄れていく。


そして、すべてが暗闇に沈んだ。
○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・・○・○・○・○・○
気がついたときには、すべてが終わっていた。

ぼんやりと明かりが揺れている。
見覚えのある天井……これは、寮の自分の部屋。
重たいまぶたをあけて、やっと周りを見ることができた。
マユ「、サン....!」


マユは、私の手を握って、泣き腫らした顔でこっちを見てた。

サン「……マユ」

声を出したつもりだったけど、かすれてしまって、自分でもびっくりした。
喉が痛くて、胸の奥がぎゅうっとなる。
でもマユは、すぐにうなずいてくれた。

「……大丈夫。サン、……ほんとによかった……」

私の手をそっと包みこむマユの手は、あったかくて、でも少し震えてた。

私はマユの顔を見ながら、さっきまでのことを思い出してしまった。

冷たい床。
押しつけられた手。
制服が裂ける音。

思い出したくないのに、頭の中にどんどん流れこんできて、
私はとっさに顔をそむけた。

「やだ……やだ……」

震える声が、自分のものだって気づくのに時間がかかった。

マユは何も言わず、そっと背中を撫でてくれた。
それから、何時間たったのかはわからない。

マユは私の隣に座り続けていた。
寝ずに、ご飯も食べずに、水のひと口さえ飲んでなかった。

サン「マユ、ねえ……寝て」

そう声をかけても、マユはかすかに笑うだけで、返事をしなかった。

目の下にはくっきりと影ができてて、手は冷たくなってきてた。

でも、怖かった。

マユが私の手を離すことよりも。
マユが、自分で自分を壊してしまうことの方が、ずっと、怖かった。




その夜、マユはベッドに上がらなかった。
いつもなら、上の段にするりと登って「おやすみ」って言うのに。
私が目を閉じてても、絶対にそうしてたのに。

それなのに、マユはずっと、ベッドの下の床にうずくまったまま、小さくなってた。

何度か、「もう寝よう」って声をかけたけど、返事はなかった。
ときどき、小さく喉を詰まらせたみたいな音が聞こえて、
それが泣いてるのか、声を殺して叫んでるのか、わからなかった。



ねえ、マユ……



声には出せなかった。

何もかも、壊れてしまいそうだったから。




ベッドの端からそっとのぞくと、マユは両ひざを抱えてうずくまり、何かを見つめていた。
机の引き出し。誰も開けないはずの、奥の、封がされた薬包。



私は、それを知っていた。
戦地に送られる女の子たちに、こっそり渡されたもの。
“捕まるよりも、先に選べ”って意味の。

やだ、マユ、絶対にやめて....

マユの視線がそこにあることが、胸の奥をぎゅうっと締めつけた。

そこにいたのは、私が知ってるマユじゃなかった。
私の好きな、まっすぐで、少し強がりで、でもやさしいマユじゃなかった。

自分を消したいって顔だった。


マユ、ごめんなさい。


私がこんな目にあったからって、マユまで壊れてほしくない。
マユは、生きててほしい。

マユの背中を見ながら、唇をかみしめた。

言葉にならない思いが、喉の奥にずっとつっかえていた。


○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・・○・○・○・○・○









続きは明日更新するつもりです、、、、
書いてるだけで辛いです😭😭😭

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