〈千トside〉
踏分さん 楽しそうにお店してるけど…
ときたま…思い悩んでるみたい…
心の中で…
「恵美はちゃんとご飯を食べてるんやろか…」
「健三もご飯とか作れてるんかな…」
「ちゃんと依頼をこなせてるんかな…」
「やっぱり…俺がおらんと…あの二人は…」
「俺は…スワロウテイルのほうが…」
とか…うっすらだけど…あの二人の傍にいたいっていう心の叫びが…
僕には聞こえているんだよ…踏分さん………
僕は…あなたを…助けます…必ず…!!
僕はイヤホンシールで二人を事務所に呼んだ
〈ナイトアウル事務所〉
踏分さんは続けてお店の番をしている
よかった…二人の機嫌が悪い方向に行かなくて…
踏分さんのことも好きだけど…
ほんとに右手くんと左手くんが僕の記録者でよかった…
〈恵美side〉
僕は…小さいころからずっと誠一に面倒を見てもらってた…
学校だって…誠一がいないとろくに通えてなかったほどに…
学生のころ、美術室で僕の書いた絵を…誠一は飽きもせず
ずっとそばで見てくれて…ほめてくれた
誠一だって…かっこいい容姿なんだよ?
その気になれば彼女くらいできたはず…
でも…そうせず…僕の傍にずっと…いてくれた…
ネストに入るのだって…背中をおしてくれて…
僕は…そんな誠一に…甘えすぎてしまっていた…
ほんとはね…ぼくだって…誠一の言うこと…聞いてみようかなって
思ったことはあるんだよ…
だけど…それでも…飽きずに…僕の面倒をみてくれた…
だから…気が付かなかったんだ…誠一の苦しんでいる声に…
健三といつも喧嘩して…傷ついたような顔をしたのも…
ほんとは…知っている…いや…知っているふりをしてしまっていた…
本当は…すぐに慰めてあげていれば…
ずっとそばにいた僕が…少しでも誠一の気持ちに寄り添ってあげていれば…
誠一の…苦しそうな心の叫びにも…気づいていたのかな…
僕と健三は意を決して誠一がやっている
フラワーショップへと出歩いた。
…僕は…誠一を…連れ戻すんだ…


















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。