音が消えて、
弾き終わった後の余韻に浸るように
剣持先輩が言った
その目はやっぱりどこかキラキラしていて、
肩の力が抜けた
そう言いながらギターをケースにしまう
いつの間にか気楽に話せるようになっていて、
人見知りでも頑張った自分を心の中で褒める
ふと窓の外に目をやると、
夕日が沈みかけていて、空も紫がかっていた
床に散らばった花びらを見て、
2人で苦笑した
あれから剣持先輩にも手伝ってもらいながら
掃除をして、結局遅い時間になってしまった
ただ、呼ばれただけなのに
心臓が大きく跳ねた
いつもより声が上ずって、
語尾も小さくなったのを誤魔化すように
そそくさと靴を履き替える
…もっと男性の免疫をつけないと……
夕焼けが僅かに残る空を眺めながら、
さっき呼ばれた名前の余韻を
心の中で転がした












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。