狙いを定めて、撃つ。
その一発で、他人が死ぬ。
その一発で金を貰って、今日も生きている。
ああ、懐かしいねぇ。
殺し屋業を始めたのは...確か11歳の時だったか。
それから色々な国や場所を転々としながら、12の時に先生の居る国へ戻った。
私は出身地は一応日本。
だから名前も日本名、『珀』だ。
先生の元へ訪れた時に、先生からとある提案をされた。
『せめて18になるまでは日本で“普通の子供”として生きて、それから戻って来い』と。
その提案に最初は渋ったけれど、なんとか先生に説得されて、その提案を飲むことになった。
苗字を父の旧姓から付け準備をし、4月からは日本でただの中学生として過ごした。
まあ当たり前に会話するような他人なんていなかったから、ずっと一人だった。
そんな時、人との関わりを持とうともしない自分に話しかけてきたのが...
彼女だった。
多くの言葉を要しない距離感は、自分にとってはちょうどよかった。
羽叶との関わりも彼女からの紹介からだった。
...ま、根本が変わったわけじゃあないんだけどね。
人からの愛なんて幼少期にもう充分貰った。
偽りの自分が愛されても虚しいだけ。
人を気遣うのもめんどくさい。
ああ、面倒臭い。
生きるのも死ぬのも何をするにも人を巻き込んでしまう。
巻き込んだ人と関わることが嫌。
めんどくさいめんどくさいめんどくさいめんどくさいめんどくさいめんどくさいめんどくさいめんどくさい!
...ああ、もう。
...そうか。
人と関わりたくないんなら、人を想わなくて良いのなら、人を辞めてしまえば良いんだ。
するり、と殺し屋が近寄ってきて、胸に手を当てて問うてくる。
____そして、第一章へと続く。

















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。