授業終わり、私はすぐにスマホを取り出してお兄ちゃんに連絡する。
理由はもちろん、先ほどの藍沢莉音についてのことで報告するため。
本当は凪さん本人にも聞きたかったけど、あの人の居る場所も連絡先も知らないし。
ふとこの場に藍沢莉音本人がいることに気づく。
この場で流石に彼女のことを口に出すのはまずい。
周りもうるさいし、移動することにしよう。
それだけ言って電話を切り、椅子から立ち上がる。
スマホをしまって教室を出ようとしたところ、後ろから私の名を呼ぶ声が聞こえた。
話しかけていたのは、同じクラスの女子3人グループだった。
見覚えはあるが、話したことは多分ない。
話しかけてくるなんて珍しい、何か用があるのかと振り返って話を聞く。
お兄ちゃんの友達…?そんなの、お兄ちゃんから聞いてない。まぁ、知らなかった可能性もあるけど。
そもそも、お兄ちゃんの友達なんて興味がないから、凪さん以外は接点なんて殆どない。
そんな人がこの女子たちを使って、私を呼び出すとは考えにくいけど…
今まで何も言わず無言だった彼女に、他のメンバーの視線が向けられる。
あぁ、欄堂翼…彼女には見覚えがあった。
確か、御影コーポレーションと結構交流がある会社…そこの社長の娘さんだ。
自分から会いたいと言ったくせに、ドタキャンしたことをお兄ちゃんに謝罪しつつ、蘭堂翼に着いていくことにした。
どうせ、ここで私が何を言っても引かないだろう。
用件だけ聞いて帰ればいい。
その女子たちは、若干急ぎ足で私の前を歩いていく。
これから起こる展開を考えながら、私は黙ってその3人に着いて行った。















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!