第3話

3 冷たい雨と謎の男
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2026/04/02 16:38 更新

カオスな部活勧誘の後、
俺はあっきぃとまぜの誘いを
どうにか断り、一人で下校していた。


あいにく天気は予報ハズレの雨。

あっと
やべ、傘持ってきてねぇ…

俺は駅までの道を小走りで急ぐ。

あっと
うわ、結構降ってきたな…
早く帰らないと、ちぐが心配するし…

フードを被って下を向いて
走っていたその時。

あっと
…あッ…!

濡れた路面で足が滑り、
俺は派手に転んでしまった。
膝をすりむき、
カバンの中身が地面に散らばる。

あっと
痛ったッ…最悪だ…

雨に打たれながら
慌てて荷物を拾い集める。

するといきなり、
視界に黒い傘が差し込まれた。

あっと
えッ…
ぷりっつ
…大丈夫?

頭上から聞こえたのは少し低めの声。
顔をあげるとそこには
マスクをした男子生徒が立っていた。

あっと
あ、ごめんッ…ありがとう
ぷりっつ
これも、落ちてた

その男子生徒は汚れた俺の手帳を
丁寧に拭き取ってから
差し出してくれた。

その時、男子生徒の指先が
俺の手に不自然なほど長く触れる。

あっと
……ッ…

俺は一瞬、ゾクッとした寒気を感じた。
雨のせいではない。
この少年の瞳が異常に熱っぽく
自分を見つめていたからだ。

ぷりっつ
…君、名前は?
あっと
え?あ、俺?……あっと
ぷりっつ
…あっと
ぷりっつ
いい名前やな
ぷりっつ
俺は……ぷりって呼んで
あっと
わ、わかった
ぷりっつ
膝、血出てる
ぷりっつ
…消毒してあげたいなぁ
ぷりっつ
俺の家、すぐそこなんやけど…来る…?♡

その痛すぎる視線と、
甘すぎる声に
俺は咄嗟に断ってしまう。

あっと
あ、いや!全然大丈夫ッ!
あっと
傘、ありがとな!じゃあッ!

俺はひったくるように
手帳を受け取ると、
逃げるように走り去った。

ぷりっつ
……逃げてもた
ぷりっつ
可愛いなぁ、あっと♡
ぷりっつ
これで俺の顔と声、
覚えてくれたやんな…?♡

彼のもう片方の手には、
あっとが転んだ拍子に落とした、
小さなキーホルダーが握られていた。

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