第3話

幼なじみ(Fuma)
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2025/09/30 14:01 更新
学校の帰り道、いつものように肩を並べて帰る。
風磨が今月何回目かの告白をされた話を聞きながら。
あなた
また告白されたの?今月何回目よほんとに
ふうま
まじでな、まさかの先輩だったからビビったけど。
あなた
…で?OKしたの?
ふうま
なわけ笑。
だったらお前と今、帰ってないだろ。
あなた
確かにそうだよね。
ふうま
モテる男は辛いぜ。
あなた
一体こんなやつのどこがいいんだか。
口では呆れながらもほっとした。
…良かった、告白、断ってくれて。
幼なじみの立場を利用して隣にいるだけの自分。
いつか私以外になるんじゃないかと風磨が告白されるたび、不安になる。
想いを伝えようにもこの関係性が崩れそうで怖い。

そんなことを考えていると、
ふうま
それよりさ、お前だよ。
急に私の顔を覗き込んで言ってきた。
あなた
え?…なに急に?
突然顔を近づけ言われ、心当たりがなくて困っていると、めずらしく風磨が喋りづらそうに
ふうま
……なんか花火大会誘われたらしいじゃん
口を尖らせて聞いてきた。
あなた
?……ああ、そうだね。誘われたよ。
1組の𓏸𓏸くんに。
正直、風磨が色んな女の子から夏祭りに誘われているのをみて、気が気じゃなかったし、𓏸𓏸くんには申し訳ないが「他の友達と行く予定があるから」と嘘をついて断っていた。

それもあって私が適当に答えたように聞こえたのか、
ふうま
…なんだよ、なんかお前には関係ないだろみたいな言い方
ちょっと声を低くして言ってきたから私は風磨が怒ってしまったとおもって、
あなた
ごめん!
そんなつもりで答えた訳じゃなくて、
すると私の言葉を遮るように
ふうま
いや、そうだよな、
首突っ込んだ俺が悪い。
関係ないもんな別に、あなたの下の名前が誰と行こうと…。
風磨の様子に胸がざわついた。怒っているようでもあり、拗ねているようでもあり、そして何より…悲しそうに見えた。

そんな風磨を見ていられず、前を向いてどんどん歩いていく風磨の服の袖を掴んだ。
あなた
どうしたの、急に俺が悪いとか言い出して、風磨らしくないよ…?
風磨は立ち止まり、こちらには向かずに小さな声で
ふうま
…ムカつくんだよ
私は風磨がなんて言ったか聞こえなくて
あなた
なに?ごめん、もう1回言って?
そう言うと私が持っていた服の袖の手をのけ、私の方を向いていつもの余裕ぶった風磨とはかけ離れた余裕のない表情で、
ふうま
ムカつくって言ってんの!
ああ、もうなんだよ。
俺だけあなたの下の名前が誰かと一緒に夏祭り行くって聞いて、焦ってんのダセェじゃん…
あなた
まって、それってさ…
風磨の言葉に、佳恋の心臓が大きく跳ねた。
だって、それは…
ふうま
…そうだよ。あなたの下の名前が夏祭り誘われたらしいって聞いて、俺はずっとモヤモヤしてて
ふうま
でもただの噂だろって思って、そしたらお前まじで誘われたよって言うし…
風磨は、意を決したように佳恋の目をまっすぐに見つめた。
ふうま
……俺はあなたの下の名前と幼なじみなんかじゃ嫌だ。
夏祭り、俺と行ってくれよ
沈黙が二人の間に流れる。風磨の心臓の音まで聞こえそうなほど、静まり返った帰り道。
あなた
…っ、風磨、ずるいよ…
あなたの下の名前の目からは、とめどなく涙が溢れてきた。今までずっと心の中で秘めてきた想い、不安、そして何よりも風磨への気持ち。それらが、一気に溢れ出した。
あなた
私𓏸𓏸くんに夏祭り誘われたけど、実は誘い断ってたんだよ。
ふうま
は…?
今度は風磨が驚く番だった。
あなた
……私だって、ずっと風磨のことが好きだから
涙でぐしゃぐしゃになった顔を隠すように、佳恋は俯いた。

風磨は、フッと笑ったかと思うと、私をそっと抱きしめた。
ふうま
…なんだ、両思いじゃんか
ぎゅっと抱きしめてくれる風磨に応えるように私も背中に腕を回した。
帰り道、私たちは手を繋いで帰る。
あなた
ちなみにさ、いつから私の事好きだったの?
ふうま
…教えねえ
あなた
なんでよ、ねえ、教えてよ笑
すると風磨は悪戯っぽく笑い、
ふうま
んー……、じゃあ、夏祭りの帰り道に
ちゃんと教えてやるよ。その時までお楽しみな
夏祭りがもっと楽しみになった瞬間だった。

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