ぽそっとそう呟いてから私たちの間に沈黙が流れる。
・・・・なんか話題ないかな。
なんかこんなやりとりさっきもあった気がする。
ということは言わないでおいた。
一虎はえっと、とかあの、とモゴモゴと呟いていた。
言いづらいことなのかな・・・・
私は急かさないように黙っておく。
その行動が急かしているように感じたのか、一虎はぐしゃっと頭をかいた。
そしてばっと目線を私に向ける。
そういって頭を下げた。
突然の行動で私はポカン、と呆気に取られてしまった。
謝った?一虎が?
ハロウィンの日にマイキーたちと喧嘩するあの一虎が?
頭の中は「?」だらけだったが、いつまでも一虎に頭を下げさせるわけにはいかない。
顔上げる気配ないな、なんで?
私は息を小さく吐くと両手で一虎の頬をそっと包み込み、顔を上げさせた。
ね?と一虎の顔を覗き込む。
思いの外、顔同士の距離が近かったことに気がつく。
私はパッと手を離す。
一虎も頭を下げるのをやめてくれた。
私もなかなかに距離の詰め方がおかしいな・・・・
この世界に侵食されつつあるのか、これ。
私は誤魔化すように笑った。
その言葉に私はふと違和感を覚える。
・・・・あの時一虎は操られていたはず。
記憶があるのか、操られた時のこと。
私は怪しまれないように質問をしようとしたが
と、どストレートに訊いてしまった。
案の定一虎はポカンとした表情を浮かべている。
馬鹿か私は!
誤魔化す暇もなく一虎が先に口を開いてしまう。
あー、もうこれダメだ。
多分一般人には言うな、みたいなのあったと思うけど・・・・
私はため息を吐いた。
私の声色で何かを感じ取ったのか、一虎はごくり、と飲み込んだ。
そしてゆっくりと頷く。
流石に言いすぎたらしい。
私はわざとらしくこほん、と咳払いをした。
一虎の眉がぎゅっと寄る。
ややこしい説明しかできないや・・・・
多分そんな感じだったはず。
・・・・間違えてたらどうしよう。
まぁ、一虎には知る由もないからいいか。
ふーん、という声色でそう呟いた。
対応力半端なく高いな・・・・
やっぱこの世界って色んな世界と混ざってるから変な出来事にも慣れっこなのかな・・・・












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。