第81話

謝罪と約束
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2024/07/06 03:00 更新
羽宮一虎
あっそ。
ぽそっとそう呟いてから私たちの間に沈黙が流れる。

・・・・なんか話題ないかな。
あなた
あ。
羽宮一虎
あ?
なんかこんなやりとりさっきもあった気がする。

ということは言わないでおいた。
あなた
そういえば私に何か用だった?
羽宮一虎
・・・・あ〜、うん、その、ね?
一虎はえっと、とかあの、とモゴモゴと呟いていた。

言いづらいことなのかな・・・・

私は急かさないように黙っておく。
その行動が急かしているように感じたのか、一虎はぐしゃっと頭をかいた。
そしてばっと目線を私に向ける。
羽宮一虎
昨日はごめん、まじで。
そういって頭を下げた。
突然の行動で私はポカン、と呆気に取られてしまった。

謝った?一虎が?
ハロウィンの日にマイキーたちと喧嘩するあの一虎が?

頭の中は「?」だらけだったが、いつまでも一虎に頭を下げさせるわけにはいかない。
あなた
いや、あの・・・・大丈夫だから。ね?顔あげて。
羽宮一虎
・・・・
顔上げる気配ないな、なんで?

私は息を小さく吐くと両手で一虎の頬をそっと包み込み、顔を上げさせた。
羽宮一虎
っ!
あなた
本当に大丈夫だから。怪我もしてないし、君は私のことを殴ってないから。未遂だよ未遂。
ね?と一虎の顔を覗き込む。
思いの外、顔同士の距離が近かったことに気がつく。
あなた
・・・・ごめん。
羽宮一虎
い、いや、別に・・・・
私はパッと手を離す。
一虎も頭を下げるのをやめてくれた。

私もなかなかに距離の詰め方がおかしいな・・・・
この世界に侵食されつつあるのか、これ。

私は誤魔化すように笑った。
あなた
とにかく、ね?大丈夫だから気にしないで。
羽宮一虎
・・・・でも、殴りかかったのは事実だし。
その言葉に私はふと違和感を覚える。

・・・・あの時一虎は操られていたはず。
記憶があるのか、操られた時のこと。

私は怪しまれないように質問をしようとしたが
あなた
操られた時って意識あったの?
と、どストレートに訊いてしまった。
案の定一虎はポカンとした表情を浮かべている。

馬鹿か私は!

誤魔化す暇もなく一虎が先に口を開いてしまう。
羽宮一虎
操られたって、どういうこと?
あー、もうこれダメだ。
多分一般人には言うな、みたいなのあったと思うけど・・・・

私はため息を吐いた。
あなた
今から私が話すことは誰にも言わないって約束して。いい?
私の声色で何かを感じ取ったのか、一虎はごくり、と飲み込んだ。
そしてゆっくりと頷く。
あなた
絶対だよ?
羽宮一虎
ああ・・・・
あなた
ぜっっったいに、誰にも話したらダメだからね?
羽宮一虎
ああ。
あなた
仲のいい人にもだよ?
羽宮一虎
わかったって!
流石に言いすぎたらしい。
私はわざとらしくこほん、と咳払いをした。
あなた
実はここの校長に頼まれて、悪い化け物を倒しにきたの。
羽宮一虎
悪い化け物?
あなた
そ。私たちの中で呪霊って言われるやつなんだけど。
羽宮一虎
ジュレイ・・・・
一虎の眉がぎゅっと寄る。

ややこしい説明しかできないや・・・・
あなた
人の負の感情で作り出されるお化けみたいなものだよ。呪いとも言われる。
羽宮一虎
呪い・・・・
あなた
その呪いが大きくなると呪霊の完成ってわけ。
多分そんな感じだったはず。
・・・・間違えてたらどうしよう。
まぁ、一虎には知る由もないからいいか。
羽宮一虎
その呪霊?てやつがこの学校に出るのか?
あなた
そうだね。私はその呪霊の退治を頼まれた。
羽宮一虎
・・・・じゃあ、この前俺がお前に殴りかかったのもその呪霊ってやつのせいなのか?
あなた
そーゆーこと。
羽宮一虎
へぇ、世の中にもいろんなもんがあるんだな。
ふーん、という声色でそう呟いた。

対応力半端なく高いな・・・・
やっぱこの世界って色んな世界と混ざってるから変な出来事にも慣れっこなのかな・・・・

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