第80話

改めまして
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2024/07/06 02:04 更新
真人
御礼を言われるのって、悪い気はしないね。
真人はそう言って私に笑いかけてきた。

・・・・本っっ当にこの真人、調子狂う。

私は飲み込まれないように目線を外した。
あなた
用ってこれだけですか?
真人
うん。
真人はニコッと笑って頷くと窓の方まで歩いて行く。
そして窓の手前でピタッと止まった。
くるっと体を私の方に向ける。
真人
じゃあ、またね。あなたの下の名前♪
そう言い終わると窓からぴょんっと飛び降りた。
私は近くの窓から下を見下ろした。
真人が地面に着地したのが見えた。
真人がこちらに向けて軽く手を振ったあと、ゆっくりとした動作で歩いていった。
あなた
・・・・ふぅ。
私は紙切れをポケットの中にしまい、無意識に力が入っていた肩をストンと下げる。
あなた
首痛いし肩も痛い。
会議室で私の声が響いた。
首をぐるぐる回しながら先程の出来事を思い返す。

あの様子からして真人たちは今回のこの事件とは無関係っぽいなぁ。
あなた
明後日、か。
私はため息をつく。

なぁんか、ややこしいことに巻き込まれていきそうだなぁ・・・・
めんどくさい。

私は首をふるふると振った。

今はこの依頼に集中しないと。

その時だった。
???
───あ、やっぱりいた。
あなた
!?
声がした方を向くと昨日私に殴りかかってきた子がいた。
子、といってもそこまで子供とは思えないが。

てか、私後ろから話しかけられる率高くない?
???
居るかどうかは半信半疑だったけど。良かった、会えて。
そういって小さく笑った。
その拍子に耳につけているピアスがチリン、と音を立てる。

・・・・この子、初めてこの学校に来た時に廊下ですれ違ったな。
というか、会えてよかったってなんで?

よほど私が困惑した表情をしていたのだろう。
その子は少し慌てたように手を振る。
???
あぁ、いや。別に深い意味はないよ。純粋に会えてよかったなって思っただけ。
あなた
・・・・そう、なんですね・・・・
???
そ。・・・・あ、名乗らずに喋るのも良くねぇか。
小さくそう呟くとこほん、と咳払いをした。
そして私を見てにこりと笑う。
???
改めまして。俺は───











羽宮一虎
羽宮一虎だ。よろしくな。
あなた
・・・・カズトラ?
どこかで聞いたことがあるような・・・・?

その子───いや、一虎は不審そうに眉を顰める。
羽宮一虎
別に珍しくはねぇだろ?一虎って名前。
あなた
あぁ、うん、そうだね・・・・
羽宮一虎
アンタは?
あなた
私?私はあなたの名字あなたの下の名前だよ。
羽宮一虎
へぇ、あなたの下の名前か。
早速下の名前呼びかい、というツッコミは入れないでおく。

この世界全員距離の詰め方おかしい。
コミュ力激高お化けか・・・・

そのとき、前に見た夢の内容を思い出す。

『人を殺すのは悪者。でも敵を殺すのは"英雄"だ!!』
あなた
あ。
羽宮一虎
あ?
思い出した。
この人、マイキー達と争う?人だ。
・・・・でも、なんか雰囲気が違うような気がする。

じっと見つめていると一虎の眉がぎゅっと歪んだ。
羽宮一虎
え、なに。顔になんかついてんの、俺。
あなた
いや、別になにもついてないよ。
羽宮一虎
じゃあ、なんでそんなに俺を見るんだよ。
あなた
・・・・髪綺麗だなって思ってただけ。
嘘だけど。
いや確かに綺麗ではあるけど、そう思って見てたわけではないから嘘だけれども。

私はなんだか居心地が悪くなり、そっと目線を逸らした。
流石に見つめすぎたらしい。
羽宮一虎
・・・・あっそ。
一虎は自分の髪を少し触りながらぼそっと呟いた。
少しだけ嬉しそうにしていたことは、私には知る由もなかった。

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