第71話

次の任務
679
2024/01/13 03:00
私は五条先生と七海さんに頭を軽く下げて自分の部屋に戻った。
七海さんは五条先生が来てから私のことについて尋ねてこなかった。
なんとなく、私が五条先生に黙っていることに察しがついたのか。
あるいはただ単に私の回答に満足したからなのか。
何はともあれ、よかった。
あなた
・・・・暇だなぁ。
ベットで仰向けになりながらぼそ、と呟く。
あなた
暇ってことは、呪霊とかも湧いってことだし。いいことなんだよね。
ごろん、と寝返りをうつ。
ベットのそばにある机の上のスマホを手に取る。
地図アプリを開いてみるが、やはり真っ白なままだ。
あなた
・・・・ここは本当に、私がいた世界とは違う世界で、現実。
また寝返りをうち、天井を眺める。
と。

ブルルルっ
あなた
っ!
スマホが突然震えた。
びっくりした拍子にスマホが手から滑り落ちた。

ガツンッ!
あなた
いっった!
思いっきりおでこにスマホが直撃した。
へんな呻き声をあげてベットの上で悶える。
そんなことをしているうちにスマホの振動がおさまっていた。
あなた
・・・・誰だろう。
私は通話履歴を見る。
そこには伊地知さん、と表示されていた。

そういえば、ここに来たばかりの時に一通りの関係者の人とは連絡先交換してたっけ。

と言っても学長と伊地知さんくらいだけれども。

折り返した方がいいかな・・・・

私は伊地知さんに電話をかける。
ワンコールで出た。
あなた
あ、もしもし。すみません、さっき電話してくださったのに、出ることができなくて。
伊地知潔高
『い、いえ。こちらこそ急に電話をかけてすみません・・・・』
申し訳なさそうな伊地知さんの声が電話越しに聞こえてきた。
あなた
何かあったんですか?
伊地知潔高
『ええと・・・・次の任務の案内をしようかと思いまして』
あなた
・・・・そういえば、もうお休みは今日で終わりでしたね。
伊地知潔高
『すみません・・・・』
あなた
伊地知さんが謝ることじゃないですよ。
私がそういうと伊地知さんは少しホッとしたような息をもらした。
伊地知潔高
『今回の任務は、早速で申し訳ないのですが・・・・』
伊地知潔高
『明日から、大溝中学校へ向かっていただきます』
あなた
大溝中学校・・・・?
どこだ、それ。
聞いたことない。
・・・・今までの経験からして、おそらくこの中学校もマンガ関係の人がいる中学校なのかな。
伊地知潔高
『詳細は後ほど学長の方からお話があると思いますので・・・・』
あなた
わかりました。ありがとうございます。
伊地知潔高
『はい。では失礼します』
伊地知さんは丁寧にそういうと電話を切ったようだ。
ツー、ツー、という電子音が響く。

大溝中学校、ねぇ・・・・

私はスマホをボスン、とベットの上に落として腕を伸ばした。
あなた
どこなんだろう。
ただただそれだけが気になった。

まじで漫画とかには出てこない一般の中学校だったりする?
・・・・だいたいこーゆー時はまさかあなたがいるなんて・・・・!ていう展開になりがちな気がする。
あなた
はぁ。
私はそっとため息を吐いた。
佐野万次郎
〜♪
龍宮寺堅
・・・・おいマイキー、たい焼きの中身出てる。
佐野万次郎
うおっ、マジか!
マイキーは慌てて飛び出てきたあんこをパクっと頬張る。
ドラケンは呆れたようにため息を吐いた。
龍宮寺堅
ったく・・・・もうすぐあいつら来るんだからシャキッとしろ。
佐野万次郎
別に良くない?
人気のない公園で二人の声が響いていた────

プリ小説オーディオドラマ