焦がしてないのを涼介くんのお皿に
入れて焦がしたのは自分で食べよう。
箸で取り分けて、盛り付けが終わった所で
手を洗い終わった涼介くんが戻ってきた。
置いてあったお皿を、当たり前のように
机まで運んでくれる涼介くん。
仕事で疲れてるだろうに本当に
できた旦那さんだ事。
「「いただきます」」
久しぶりに二人で言えた気がして
それだけでニヤけるのを耐える。
早速麻婆茄子を口に運ぶ涼介くん。
味、大丈夫かな?
不安に思いながら見るとモグモグして···
私も食べようと思って、ようやく気づいた。
涼介くんに取り分けたはずの分が
私の前にあって、涼介くんの前には···
慌ててお皿を取り替えた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。