百瀬side
授業はあっという間に終わって
気づけば放課後
いつもと違うことといえば
今日行われた委員長決め
たくさんの人が立候補した中、
色々あって委員長は飯田くん、副委員長は八百万さんに決定したこと
後は雄英バリアを掻い潜ってマスコミが入ってきたことくらい
雄英バリアを超えてくるなんてことがあってもいいのかわからないけれど
一旦その話は置いておいて
私は今、相澤先生と職員室にいます
何かやらかしちゃったかな…!?
思い当たることといえば…
パッと出てくるのは一つしかないけど
相澤「昨日道端で倒れたそうだな」
職員室に入り早々に先生が言う
やっぱそれですよねー!
相澤「詳しいことは轟から聞いている」
轟くん、先生に連絡してくれてたんだ
本当、何から何までやってもらっちゃったなぁ…
百瀬「その節はご迷惑をおかけしました」
相澤「わかっているならいい。体が資本とも言えるヒーローたるもの、体調管理を怠ることは許されないからな」
百瀬「はい」
相澤「それに加えてお前、一人暮らしだろ」
百瀬「、なんで…?」
なんでそれを、先生が
相澤「生徒のことはそれなりに知っておかないといけないからな。お前の師匠から大体のことは聞いている」
師匠…
相澤「また体調を崩したらどうするつもりだ」
百瀬「…なんとか気力で?」
相澤「そう言うことが言いたいんじゃない」
百瀬「ですよねー」
でも、それくらいしか方法が思いつかない
相澤「轟と家が近いんなら、轟家の人に助けてもら_」
百瀬「いえ!大丈夫です!」
思わず声が大きくなる
これ以上人に迷惑をかけることは絶対にしたくない
じゃないとまた
私は優しい人たちを_
百瀬「…話遮ってすみません」
相澤先生の気だるげな瞳がいつもより大きく見開かれているのを見て、思わず小声で付け足す
相澤「いや、お前がそんなに必死なのが珍しいと思ってな」
珍しく取り乱しちゃったな…
百瀬「って、まだ始まって一週間も経ってないじゃないですか!」
とは言っても確かにそれは事実で
最近感情的になりすぎてる気がする
相澤「お前の憧れるヒーローはそう言うことに取り乱すイメージがないからな」
百瀬「師匠は…すごい人なので」
私は一度だって師匠には勝てたことがない
ずっと、憧れの存在
百瀬「話は戻しますけど、今回は想定外でしたが、いつもと同じなので!もうこんな失態はしません!」
相澤「…では、もし次、お前が倒れたと言う報告があったら…わかってるな?」
スッと細くなった瞳でこちらを見られ、思わず背筋がピンと伸びる
それは
もう次はない、という
先生からの明らかな警告
百瀬「はい」
最近、確実に気が緩んでいる
ちゃんとしないと
妹を助けるための私が、人に迷惑をかけてどうする
相澤「この話は以上だ。それと、みんなには伝えてないんだが、来週はレスキュー訓練がある」
百瀬「レスキュー、訓練…?」
相澤「コスチュームを着ての災害時の対応訓練だ。個性をたくさん使うことになる。ちゃんと休んでおけ」
百瀬「!…はい!」
相澤「…どうして笑う」
ぶすっとした仏頂面でこちらを見る先生
今までの様子を見ていると、どこかこわい印象を持ちやすい先生だけれど
百瀬「先生はだれよりも生徒の身を案じてくれる優しい人なんだな、と思いまして」
相澤「…そう言うお前も、俺と出会って一週間も経ってないだろ」
百瀬「確かにそうですね!」
相澤「ほら、話は以上だ。さっさと帰れよ」
百瀬「はーい。失礼しましたー」
相澤「はーい、じゃなくて、はい、だ」
なんか言ってた気がしたけど、聞こえていないことにした
山田「おいどーした相澤!!いつになくニヤけてんぞ!?」
相澤「山田うるさい」












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。