山口「部活、決まった??」
あなたの下の名前「うん。おかげさまで!」
山口「何部なの?」
あなたの下の名前「うーん……それは秘密」
えへへ、と悪戯っぽく笑う。
月島「……」
その顔を、月島は横目に見つめていた。
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はっ、はっ、はっ
体育館へ繋がる廊下を、一直線に駆け抜ける。
1枚のプリントを、大事に抱えて。
こんなに息が上がるのも、いつぶりだろうか。
体育館に繋がる通路に出ると、あなたの下の名前の背中を押すように、風が吹く。
まだ5月も始まったばかり。
ひんやりした体育館の扉を掴む。
掴んだ手は、少し震えている。
しっかり息を吸い、しっかり息を吐く。
(大丈夫、私なら。)
勢いよく、扉を開く。
??「……あ、えーっと、1年生?」
あなたの下の名前「あ、はい!1年の及川あなたの下の名前です!!」
??「及川さんは、体育館に何か用事があったの?」
あなたの下の名前「はい、えっと、男子バレー部さんに用事があって……」
??「そっか、ごめんね、まだ誰も集まってなくて。」
あなたの下の名前「いえ!全然、お気になさらず!」
すっごい綺麗な人だなあ……
美しい黒髪、口元のほくろ、抜群のスタイル。
思わず彼女に見入ってしまった。
??「男バレの誰かに、用事があったの?」
あなたの下の名前「あぁ、っと……私、男バレさんのマネージャーになりたくて……」
すると、目の前の美女は目を大きく見開いた。
??「及川さん、マネージャーになりたいの!?」
あなたの下の名前「あ、はい、!」
??「本当に!!??」
あなたの下の名前「ほ、本当です!!」
刹那、何かに包まれるような感覚があなたの下の名前を襲った。
あなたの下の名前「!?!?」
??「おっしゃあ俺が一番乗りィ!」
「……って、え、?」
??「おい田中、入口で止まるなよ……は、!?」
清水「私は3年で男バレのマネージャーの清水潔子。よろしくね、あなたの下の名前ちゃん!!」
??「お、オイ、どういう状況だ清水!!」
??「おー、お前らもう来てたのかー…………って、」
??「び、び、美女と、美女が、抱き合っ……幸せな、コウ、ケイ……」
??「うわ、田中死んでんじゃん、何事……は、??」
??「お前らなぁ、準備がさkk」
??「清水先輩と、……え、なに!?」
あなたの下の名前「ひぇ……あ、あの清水先輩、!」
??「お前らうるさい!!!!!!!!準備を先にしろ!!!!!!!!!!!」
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あなたの下の名前「と、言うわけでして……」
大地「なるほどな。…ま、勝手に騒ぎ始めたこいつらが悪いってことだな。及川さんは何も悪くないから、な。……主に田中!お前だぞ!」
田中「俺っすかぁ!?」
バレーのネットを張りながら、驚いた顔でこちらを振り向く。
坊主の強面の先輩……あれが田中さん、か。
あなたの下の名前「なんかすみません……」
大地「いやいや、むしろ嬉しいって。マネージャーになってくれてさ。な?清水」
清水「うん、すっごく嬉しい。さっきは急に抱きついたりしてごめんね。」
あなたの下の名前「いえ!それこそお気になさらず!」
…………すっごいいい匂いでした、なんて言えませんが。
清水「1年生の部員集まったら、また改めて自己紹介だけお願いね。」
大地「にしても今日に限ってあいつら遅いな……」
まだ見慣れない体育館。
これから、またここに、立ち続けなきゃいけないんだ。
今度は
選手として、じゃなくて
サポーターとして。
日向「ハザッース!!」
影山「はざす。」
その後ろから、月島と山口が見える。
大地「おぉやっときたかお前ら。」
「よし、これで全員集まったな。」
清水「全員集合。」
やばい、これ、緊張する……
すると、大地がみんなからあなたの下の名前が見えないように目の前に背を向けて立った。
あなたの下の名前「え、?」
大地「まぁまぁ、サプライズ、的な?」
ニカッと笑った主将の顔は、とても頼りがいのある、大黒柱のような存在を感じさせた。
にしても、そんな粋なことを……!!
こんなんがサプライズになるわけないじゃないですか〜!!!!!
やめてくださいぃぃ〜!!!!
清水「今日から、烏野高校排球部に、マネージャーが1人増えることになりました。」
田中「おい!さっきの子、マネージャーになるのかよ!」
菅原「マネージャー志望の子だったのか!」
山口「さっきの子、って誰のことなのかな。」
月島「僕たちが来る前になんかあったんでしょ。」
日向「おい影山、マネージャー増えるってよ!部活が捗るな!」
影山「あ″ぁ?最初っから捗っとけよボケ。」
大地「お前ら騒ぎすぎだ……」
清水「じゃあ、あなたの下の名前ちゃん、出てきて。」
大地の後ろから、ヒョコっと顔を覗かせる。
日向・影山・月島・山口「……え?」











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!