私は反射的に彼女を助けていた。
名も知らないライバル助けるとかアホか。
これアイツラにバレたらしばかれるだろうな。
まあバレないからいいや。
少しは今までのことへの贖罪になるかな。
クセで、そう言ってしまう。
近づいてきた仮想ヴィランに自分の血を飛ばし、
破壊させる。
彼女は泣いていた。
きっと、私という異星人に怯えて。
私も怖い。
知らない個性が集っていることが、怖い。
だから、人助けなんてできる場じゃない。
いつスパイが来て殺されるかわからない。
いつSPに殺られるかわからない。
なのに、してしまった。
これは“ ヴィランとして ”いけないことだ。
もう一度謝り、私は横抱きにしていた
彼女を多分安全なところへ置いた。
その時ブザーのような音が鳴った。
この音はだいたい敵にみつかった時の音だから
少しビクッとした。
でも試験終了の音だった。
よかった。
試験、落ちたかもしれないな。
人助けてポイント全然稼げなかったし。
正直、落ちてくれたほうが嬉しいかもな。
死柄木が多分殺してくれるし。
あ、でも黒霧が止めちゃうかもな。
肩をガっと掴まれ、危うく回し蹴りをしそうになった。
怖い人は、怖い。
これはいつまで経っても慣れない。
“家族”なんていない。
いざ家族なんて言葉を使うと
心がぎゅっとなる。
家族なんて言葉、使った事はほとんどない。
そういうと怖い彼は
意味がわからないというようなヘンな顔をした。
そんな顔に心が揺らいだ。
面白い。この顔。
私は久しぶりに出た笑いを
頑張って堪えた。
最後まで彼は不思議そう…というより
怪訝な顔をしていた。
少しだけ。
ほんの少しだけ。
雄英高校が楽しそうに思えた。
ようやく納得いく回が書けたぜ…っ










編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。