夜、私はベリアンさんの部屋に訪ねた
覚悟を決めて、ベリアンさんの目を見る
そうして私は、悪魔と契約を交わした
現在
あの時の私は、先の見えないことばかりだった
そんな中勇気を出してベリアンさんに本当の気持ちを伝えた
おかげで少し楽になった
まあ、その後色々あって今こうなっているわけだけど……
再びベッドの上で目を閉じる
真っ黒な瞼の裏に、思い出が映し出されては消える
もう二度と過ごすことのできない記憶
少しだけ、惜しい気持ちがある
それでも、こうやってやり直すことを後悔はしていない
きっと、そういうことなんだろう
私はそのまま眠りについた
翌朝
小窓から差し込む日の光
気持ちの良い朝だ
貸してもらった部屋の外に出て、村の中央の広場へ向かう
私は笑ってそう言った
早く起きてしまう癖はなかなか無くならないだろう
悪魔メイドとしての習慣がまだ身体に染み付いているからだ
それから村の人たちと少し談笑して、
お手伝いも一通り終わったので、辺りを少し散策する
風が吹く
柔らかくて、ほんのり温かい風だ
私は、あの丘に来ていた
私のお墓があったところ
棺から脱出するために全力で壊したお墓
周りの地面も小さく窪んでいる
盛大に穴の開いた地面を埋める
ふう、と一息つく
そして、綺麗に澄んだ空を見上げる
風はまだ爽やかに吹き続けている












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!